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辺りは一面
白い。


一歩外に出るだけで、空気に触れた部分から身震いをしてしまうほどの寒さだった。


宙空にとって雪とは、忘れられない生涯を歩んだ、軌跡の一つだ。


自宅の窓から雪を見て、宙空は何かを思い出しながら、うわごとのように、けれど僅かながらに笑顔で呟いた。




『一さん、今年も雪が降り始めましたよ』

  


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