「きゃああああああああ!!!!!!」


テストを返却され、皆で見せ合いっこなどをして、ほぼ休み時間状態と化している寺子屋の勉強部屋に響き渡る悲鳴。
声の主は、銀時。


「いやぁ!いやああああ!いやっいやああa『うっさい銀時!!』

莎詩乃が一発喝を入れた所で、銀時の悲鳴がピタリと止んだ。

「だって!だってだって莎詩乃!俺点数いくつだと思ってんだよ!」

『んー…16点?』

「何で当たってんだよ!!」

『……。(ゴメン銀時。思いっきり地雷踏んじゃった…)』

点数を当てられたのが相当嫌だったのか、銀時は軽く涙目になっている。
それに気付いた莎詩乃は、あわてながらも銀時を励まし始めた。

『大丈夫だよ銀時っ!ま、また次があるさ!元気出して!』

銀時はボソボソと話し出した。

「…次のテストは…絶対、追試に決まってる…」

ネガティブ思考になっている銀時は、莎詩乃に人差し指を突き出した。

「…莎詩乃は何点だったんだよ」

その言葉を聞いて、瞬時に莎詩乃は眉間にシワを寄せた。

『…ん?あたし?』

無意識で銀時につられたのか、莎詩乃も自分の事を指さす。

「そう、お前」

『あたしは…、別に…その…』

莎詩乃はガサガサと、自分の回答用紙を自分の後ろに隠した。

「俺の点数知ってんだから、莎詩乃も点数知る権利位俺にあるだろ」

回答用紙を隠したのを見てムスッとする銀時。莎詩乃はそんな銀時に必死で何とか答えようと、かなり挙動不審だ。

『え…いや…えっと』

「な…!!莎詩乃何だこの点数は…!」

「29点とか…」

「29って…何があったの莎詩乃!!」

『何見てんだよおおおおおおお!!!』

後ろに隠してあったテストの回答用紙が、いつの間にか桂、高杉、灑夜の手に渡っていた。

『しょうがないじゃん。苦手な教科のテストだったんだもん』

「29点何だ、莎詩乃。お前も俺と仲間だな!」

銀時はさっきまでの表情と180度変わって、笑顔に変わっていた。そしてガシッと、莎詩乃の肩を組む。

「同盟組もうぜ、莎詩乃!」

『ちょ!さっきまでの表情はどうした銀時っ!!つか、同盟とか結構です!』

すると、パンパンと手を叩く音がした。松陽先生が手叩きをしたのだ。
生徒達は皆、松陽先生の方を見る。

「皆さん、テストの結果はどうでしたか?点数が30点未満の人は、明後日に追試を行います。頑張って勉強してきて下さいね」

それでは今日の授業はここまで。そう言うと松陽先生は勉強部屋を出て行った。

それを全員は見届けると、


「『嘘だあああああああ!!!!』」

銀時と莎詩乃は叫んだ。

「うるせェ(ボソッ)」

「まぁまぁ…晋助君…(汗)」

二人の絶叫は、この部屋によく響いた。