一 寺子屋から少し離れた商店街。 その商店街にある本屋から、ルンルン気分な様子で莎詩乃が出て来た。 抱えているのは、一冊の漫画雑誌。 『やっと今週号買えた!!』 今莎詩乃は、松陽から頼まれたおつかいの帰り。 莎詩乃は溜めていたお小遣で、俗に言う週刊少年ジャ〇プを買った。 『そういえば今週号は、銀時が好きな漫画が最終回何だっけ。読み終えたら見せなきゃ』 莎詩乃は早速雑誌を開いた。見るのは漫画ではない。雑誌を開いた莎詩乃が一番始めに目を通す場所は、決まって毎回同じコーナーだ。 "占いコーナー" 雑誌を買ったら必ず最初に占いコーナーを見る。 これが莎詩乃流の漫画雑誌の読み方だ。 『んー…と、あ!あたし今週は3位だ!!』 すると、占いを見ながら歩いていた足がピタリと止まった。 莎詩乃は青ざめた顔をしている。 『晋助が…12位…』 【12位 しし座 今週は何もかも上手くいかない日。全てに置いて嫌気がさして、ところてんしか食べる気がしないみたい。 頑張って! ラッキーアイテムは 四つ葉のクローバー】 雑誌にはそう書かれていた。 高杉はしし座だ。 莎詩乃は12位だったことがショックだったらしい。 『四つ葉のクローバー…』 莎詩乃はそう呟き、雑誌を閉じると、寺子屋に向かって走り出した。 |