一
朝。
睡眠から解放された莎詩乃は、ゆっくりと瞼を開けた。
そして布団から自分のペースでゆっくりと体を起こし、部屋の壁にある時計を見る。
現在、午前7時5分。
莎詩乃は不思議に思った。7時なのに薄暗いのだ。
最近は夏に近付いて来たため、朝方は明るくなっているはずなのに。
まさか、と思い、莎詩乃は部屋の窓辺に足を運ぶ。
そしてカーテンを静かに開けた。
『あ、』
外は大粒の雨が降っていた。
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