ゴミ箱 | ナノ


真っ暗


痛い、痛い
俺の声を聞いてないかのように吸血を続ける男
執拗に同じ場所を鋭い牙で抉ってはそこを舌を使って舐める
獣のような眼差しで俺を見つめてくる
身体はすくんで動かない、というか動けなくなった
どうして俺がこんな目に、俺が何をしたっていうんだ
俺はただ、ただ間違ってこの部屋に入っただけじゃないか
そしたら人が、血まみれで倒れてて…

ひっ、
手が首に置かれる
俺は此処で絞め殺されて死ぬのか と思うと悲しいが下半身がしっとりあったかくなった
泣きながら許しを乞うと首に置かれていた手を離し立ち上がった
あっ、俺生きて帰れるのかもと淡い期待を持つ

しかしその男は俺を床から引っ張り上げ別の部屋へ連れ込もうとした
嫌だ、最後の力を振り絞って抵抗をする
それも虚しく俺は一発腹に拳をもらい咳き込む

その後男は俺の腕を拘束し足を縛ってその部屋に転がした
その後俺は呆然としながら涙を流す


真っ暗で何も見えない中なんで、なんでと掠れた声で何度も叫ぶ


だって、アイツ俺の友達の仁王なんだもん


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