アホ 「し〜ら〜い〜し〜!!!お前また俺のタオル盗んだだろ!!取るな!この変態!」 俺のタオルを鞄から出す白石は全く悪びれるそぶりもなく 「なんや名前言いがかりはいけんで〜それに俺は盗んでへん、"たまたま"落ちてたのを"たまたま"拾っただけや」 そう言って白石は俺のタオルを首にかけ「んんーっ、エクスタシー」と言いながら匂いを嗅いでいた 「うわ、辞めろ!キモい、つか嗅ぐな!」 そう言って白石の足を思いっきり踏んづける。すると白石は顔を赤らめ 「あかん、さっきので興奮してもうた…なぁ、名前?責任取ってくれん?」 そう言って俺の手を掴みそっと耳元で囁いてくる白石 「…っ!アホか!いっぺんしね!」 近くにあった鞄を掴み勢いよくドアを開け飛び出す あかん、これだからイケメンなんて嫌いだ 「うわ、どないしたん、耳真っ赤やん名前」 「…な、なんもあらへんし!気の所為とちゃう?あ、あはは…」 「めちゃくちゃ動揺しとるやん…はぁ、どうせ白石のことやろ」 「ぶっっ!!ごほッ、ごほっ…なんでそこで白石が出てくるん!」 思いっきり飲んでいたお茶を吹きこぼしてしまった、な、なんで分かるん 「いや、思いっきり顔に書いとるし…それに名前、それ白石の鞄やん」 「……へ?…っ、ほ、ほんまや…」 改めて見てみると全然自分の鞄とは違っていた。いつも付けてるストラップもキーホルダーも何処にも付いていない 「ほな、早よ返してき」「嫌や!なぁ〜頼む、付いてきてくれん?」 俺は泣き付いて頼む、しかし返ってきた言葉は 「は?自分があかんのやろ、一人でいけや」 との冷たい返事だけだった 「う〜あ〜、ん〜…し、まだ白石おる?」 そう言ってチラッと部屋を覗く 「よ、良し、おらんな…今のうちに鞄置いて逃げな…」 パタン 聞こえたのは開けてあるはずの扉の閉まる音だった 「なんや名前、自分でああ言うときながら本人の前で堂々盗んどるやん」 「し、白石…?」 悪い顔している、いけない早く逃げないと… 「あかん、まだ逃がさん話終わってへんで」 そう言ってぎゅっと抱き締められる 慌てふためく俺を見ながら 「名前に鞄奪われた仕返しさせて貰うで」 そう言った次の瞬間唇には何かが触れ、目の前には白石が… 「ファーストキスやろ?ごちそーさん」 あまりの出来事に脳の処理が追いつかずしばらく硬直状態が続いた すると心配してる白石が顔を覗き込んできた 「っっっ〜〜〜〜〜!!!!」 とりあえず引っ叩いてその場から逃げ出す …しばらくアホ白石の顔は見れなさそうだ back |