とある学園のとある生徒会――。
これは、どこにでもある日常に潜む、ごくごく普通のお話。
「それじゃあ、今日も元気に行きましょーう!
学園の生徒の為に働く生徒会が今日も活動を始める。生徒会長――なまえは何でも出来て、みんなが憧れ、好まれるような女の子だ。
なまえは、生徒会顧問のクロスき推薦されて、生徒会長に立候補し見事当選した。
それからというもの、生徒会の仕事にハマって何度も生徒会長をやっている。
「なまえ、おまえは元気すぎだ。」
「何さティキのくせに。っていうか、私が思うにティキは元気なさすぎなんだよ!」
顔色も悪いしね、と続けるなまえに対し、ティキは顔の色は生まれつきだと軽く小突く。
ティキは頭が悪い。驚くほどのバカだ。だが、学力以外のものが他の人の数倍長けてるやらなんやらで、副会長をやっている。
「そうさ!ティキが元気なさすぎるんさ。」
「おまえも元気すぎるやつの1人なんだよ……つかロード、痛い」
呆れるティキの横で大爆笑しながら、バシバシとティキを叩くロードは会計を務めている。
一方ラビは記録の能力を買われ、生徒会書記を務めている。
そんな4人で生徒会活動を行う予定が、いつの間にかおしゃべりに変わってしまっている。
そのとき顧問のクロスといえば、いつものように生徒会で睡眠をとっている。まだ、生徒会室に来てるだけマシな方だ。
これが、いつも通りの生徒会の状態だ。
だが彼らは、この状況を望んでやっている訳ではない。
いや、顧問を除いて、だが……。
何故かこの学園。生徒会があり、せっかく優秀な人材が揃っているのに、仕事がないのだ。
なので今は、たまに来る生徒の悩み相談や学校行事のお手伝いくらいしか仕事がない。
特に前者は、全くといっていい程仕事がない。なので後者の仕事しかないようなものだ。
ちょうど今は行事もなく、みんな暇で暇で仕方がないのだ。なので、おしゃべりに没頭する状況が続いている
「みんなー、学園のために頑張ってるかい?」
「いつも通りです、隊長!」
「うーん、そっか。」
何もなさすぎてつまらないよオーラが出ている生徒会室に足を踏み入れたのは、仕事をしないクロスの代わりに顧問的な存在になってくれているコムイだ。
コムイはなまえとティキの担任でもあり、2人が所属する生徒会にも世話を焼いてくれている良き先生だ。
どこかで寝ているあの先生に、ぜひこの姿を見せてあげたい。
「あ。」
いつの間に目覚めたのか、クロスが呟いた。
「クロス先生、おはようございます。どうかしたんですか?」
「おはよう。そういえば、お前達に仕事がきてたんでな。伝えてやろうかと思って」
「久しぶりの仕事さね!うれしいさあっ」
ラビは満面の笑みで、クロスに縋り付く。
他のメンバーも同様に。
「なまえとロード以外は離れろ、気持ち悪い。」
「クロス先生、酷いさー」
生徒会伝説のはじまり
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