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▽ 聖なる夜の魔法


12月24日
俗に言う、クリスマスイヴである


(シズちゃんってあぁ見えて甘いもの好きだから、ケーキ用意したし・・・・・・)

準備は完璧だ、と部屋を見渡し再度確認する
それを何度目か繰り返したそのとき、

ぴんぽーん

来客者を告げるチャイムが鳴り響いた
慌ててドアへと向かいそれを開くと

「よぉ、臨也」

待ち焦がれていたシズちゃんがいた

「いらっしゃい、入ってよ」

そういえば律儀にお邪魔しますといって上がってくる彼
何か不思議な気分だ、そう思って小さく笑うと

「何笑ってんだ、てめぇ」

っていって俺の額を小突く
痛い、という文句を込めてシズちゃんを睨めば
シズちゃんは俺の頭をぽんぽんって撫でて奥へと入っていく

って、俺を置いて先に行くってどういうことなのさ、シズちゃん!



俺が臨也の家に来てから既に4時間が経っていた
夕日で緋く染まっていた空も闇色に変わり
眼下ではイルミネーションの青や白、ピンクなど色とりどりのライトで染まっていた

「シズちゃん・・・・」

散々飲んで酔っ払っている臨也の舌足らずな声に呼ばれて振り返ると

「けーき食べようよ」

手作りであろうケーキの皿とフォークを持った臨也がいた
あぁ、と頷くと俺は臨也が座るソファの隣へと腰掛ける

「これ、臨也が作ったのか?」

そう尋ねれば、大きく首を縦に振った臨也

(じゃあ、味わって食べねぇとな・・・・・)

すると目の前に差し出されたケーキ

「はい、あーん」

口を開けろ、と言わんばかりに差し出してくる臨也に負け口を開くと
入ってくる生クリームの甘い味

「どう?美味しい?」

首を傾げて問うてくる臨也の頭を撫でながら、美味しいといえば、さらに嬉しそうな顔をする

「ほら、臨也も食べてみろ」

とフォークを差し出せば首を横に振る
どうやら食べさせろ、ということらしい

・・・・・・どうせなら悪戯でもしてやろうか

ケーキを取って俺の口に運び、そしてそのまま臨也に口付けた

「ふぁっ!?んぅ・・・・//」

予想外の出来事に目を白黒させながらも
俺の口付けに応える臨也にもっと深く口付け口内を蹂躙する

「むぅ・・・・んっ・・・//」

息苦しくなったのか俺の胸をどんどん、と叩く臨也
仕方なく離してやれば、涙目で俺を睨む

(何で、こんなに可愛いんだろうな)

なんて、新羅が聞けば、
僕に惚気るなといっておいて自分だって・・・と
言われそうなことを考えながら
俺はもう一度臨也に口付けた


ほらな、美味いだろ?というのを忘れずに・・・・・



聖なる夜の魔法





翌朝―――
「あれ、俺こんな指輪嵌めてたっけ
 シズちゃん?これ嵌めた?」
「さぁな、サンタでも来たんじゃねぇか?」
「俺がサンタクロースを信じてると思ってるの?」
「しっかりと枕元に靴下をぶら下げてる奴に言われてもなぁ・・・・」
「う、うるさいな////」
「ほら、靴下の中みてみろよ」
「・・・・え?・・・・あ」
「静雄サンタからのプレゼント」
「・・・・・ばか、シズちゃんの馬鹿」
「嬉しいんだろ?」
「・・・・・・・・うん/////」
「臨也」
「ん?」
「Merry X'mas.」




(サンタクロースからのプレゼントは、愛しい彼と婚約指輪)(そして名前の書かれた婚姻届でした)


                 FIN

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