お馬鹿姉ちゃん


「梓ー!ねえねえ、見てよ。星がすっごいキレイだよッ」

 今日は梓と海へ来ている。梓は全寮制のの学校に通っているから、なかなか会うことができない。だから今日は久々の再会なのだ。

「夏の星空はキレイなものが多いですからね。」
「ほう、そうなのか!お姉ちゃん、星のこととか詳しくないんだよねー。梓のこと尊敬しちゃうよ」
「なら、なまえ姉ちゃんに僕からの問題!」

 このタイミングだ。きっと星に関する問題なんだろう。

「姉ちゃんも夏の第三角くらいは知ってるよね?」
「うん、もちろん!」
「それじゃあ、この夏の第三角はなんていう星から出来てるでしょうか。」

 流石のあたしも、それくらいは分かるよ!ようし、梓を驚かせるぞーッ

「ひこ星様とおり姫様でしょ!」
「なんかなまえ姉ちゃんに、姉ちゃんってつけるのももったいなくなってきました。ということで、問答無用でなまえさんって呼びます。」
「え、ちょっ?!」

 ということは、まさか……不正解?!そんなバカなッ?!
 焦っている私を無視して、梓は正解発表を始める。

「夏の第三角は、こと座のベガとはくちょう座のデネブ、わし座のアルタイルからできてます。美鈴さんが言った、ひこ星とおり姫はアルタイルとベガのことです。」

 ほお、そうだったのか!初めて知ったよ。さすが梓。
 ていうか、あたしの答えだと三角なのに2つしかないじゃんか。

「星の学校行ってるから詳しいね!」
「これは小学校で習ったはずですけど。」

 あ、あれ…?


「はあ…。とりあえず、これくらいは知っててください。覚えたら、また姉さんて呼んであげますから」

「うん、お姉ちゃん梓のために頑張るよ!」




夏の大三角


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