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 流れ星に3回願いを唱えると、願いが叶うと言うけれど…。今までは、そんなの迷信だと思っていた。
 けど私のその考え、違うみたいです――





 昨晩のこと。
 真面目に勉強をしていたが、腕も疲れたので息抜きにホットココアを作りベランダでごろりと寝転がった。
 決して広い訳ではないが、小柄な私1人ぐらいは寝転がれる。

 今日は、快晴で星がよく見えた。
 残念ながら、星には詳しくないので、何が何の星かはサッパリ分からないが、きれいだと思いぼんやりと星空を眺めていた。
 すると少し暗めの光が、すーっと頭上を通り過ぎた。

(王子様、王子様、王子様!)

 3回願い事を言うには時間が足りなさそうだったので、略して願いを唱えた。
 本当は、運命の赤い糸で結ばれてる王子様が現れますようにと言いたかったのだが、長い。

 まあ、神様になら通じるよね?




 そこで冒頭に戻るのだが――

 昨晩、軽い気持ちで流れ星にした、お願い。
 本当に何故か。叶ってしまっている。

「あ、あの…今なんて?」
「ずっと君のこと、見てたんだ。」

 きれいな顔をした男の子が、私に告白まがいのことを告げた。きれい。本当にきれいだ。女の私よりも、間違いなくきれいだ。
 ストーカーですか?と聞こうとしたが、それを聞いて失敗したら嫌なので今は心の中に閉まっておこう。

「あ、あのぉ、おっしゃっている意味がよく分からないのですが…」
「僕は君が、なまえちゃんが好きなんだ」

 何で名前知ってるんすか?しかも、何この異様なドキドキ。胸が高ぶってる、って言うのかな?ん、違うかも。

「名前、何で…?」

 私の心情を悟られないように、感じていた疑問を口に出す。

「ごめんね、駅で見かけて一目惚れしちゃってさ。近くの学校の制服着てたから、調べさせてもらったんだ。」

 やっぱり何だかストーカーっぽい。でも、こういう人、好き……って何言ってんだよ!
 あー、やばい。これはかなり、きてるよ。


「よかったら、僕と付き合ってくれないかな。」
「……はい。」

 って、うわああああああ!何言ってんだよ!もう私が私じゃなくなってきそう。

「ありがとう」

 赤面。これが今の私の状態なんだろう。きれいな顔でキラキラした笑顔を見せられれば、誰でもこうなってしまうだろう。逆にならないほうがおかしいんだ、これは。

「えっと、お名前を聞かせてもらってもいいですか?」
「ああ、ごめん。自己紹介がまだだったね。僕は金久保誉だよ、これからよろしくね」

「はい、よろしくお願いします!」

 誉くん、か。なんか洒落た名前だねー。うん、顔同様カッコイイ!

 面食いな私にはたまりませんな、ふはは!
 性格とかよく分からないまま付き合うことにしちゃったけど、大丈夫かなー。


 まあ、なんとかなるか!



流れ星からの贈り物





補足情報\(^o^)/
昨日は(流れ星が流れた日)は快晴で月が全く見えない日です。
月の明かりがないほうが、星はよく見えるらしいので。

誉先輩誕生日を記念して2011年6月いっぱいフリーにさせていただきます。
よければ、どうぞ!
(自作発言はご遠慮ください)



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