※裏注意!
※鯨木×臨也
※女の子攻めです
※原作×10のその後捏造な
 のでネタバレ含みます











「…っ………どこだ、ここ」


目を覚ませば見慣れない天井と、座り慣れていない黒革のソファーの感触があった。
スローンに思い切り壁に叩き付けられたのは覚えている。その後に俺の携帯からあの女にコンタクトを取り指示を受けたことも、同じく担がれて運ばれる感覚も覚えている。途中までは、だが。
これまでの状況から考えて、恐らくここはあの女――鯨木かさねの活動拠点の一つなのだろう。


「これは案外……やばいかもしれないねぇ」


足は何もされていないようだが、手は頭上に固定するよう縛られて動かせない。期待していた訳ではないが勿論ナイフもない。敵地で全く身動きがとれない状態で、それでも臨也は口元に笑みを浮かべてみせた。


「ミミズちゃんの時は精神的な拷問だったけど、鯨木さんは一体俺に何を強要するんだろうねぇ……ふふ、これでまた人間の新しい一面を知る事が出来るわけだ。」


――楽しみだなぁ。
そう小さく呟いて、今や無力な情報屋は一人、部屋の扉を見つめ続けた。

その扉が開いた時分から始まる地獄も知らぬまま、ただただ、楽しそうに。







* * *





やっとのことその扉が開いたのは、それから数十分が過ぎた頃だった。入って来た女、基鯨木は、臨也を視認すると開口一番に問う。


「首の在り処は何処ですか」
「事を急くと禄な事がないよ? こっちは眠いのを我慢してあんたを待ってたんだ。まずは気分とかを聞くもんじゃないのかなぁ」
「これは失礼。必要性を感じなかったので。気分はどうですか? 折原臨也さん」
「……あんた、やっぱり面白いよ」


不敵に笑う臨也に対して、鯨木は全くの無表情。数秒間互いの視線を交差させた後、視線を住なしたのは臨也だった。


「確かに、首は俺が持ってる。でも場所までは言えないね」
「そうですか。残念です」


言葉とは裏腹に鯨木は変わらず無表情。彼女には最終的に『孵分け』とやらがあるのだ。いくら臨也が鯨木かさねという人間に興味があっても、彼女の“中”に巣喰う愛情の塊のような――否、愛そのもののような化物とよろしくするのは毛頭ごめんだった。


「残念なら……どうするつもりなのかな」


もしあちらが『孵分け』をするような行動を取った場合、その時は強攻突破という無謀な策を取らざるを得ないかもしれない。臨也の顔からは、いつしか笑みが消えていた。

そして鯨木は言葉を放つ。
それは臨也の予想していた通りの、けれど全く違う内容を指すものだった。


「貴方が言いたくなるようにして差し上げます。折原臨也さん」


 そこで漸く、鯨木は口元だけの笑みを象ってみせた。







* * *





「ひぃあ゛っ……ア、ぐっ、」
「首の在り処、言いたくなりましたか?」
「ッ、れが、あっあぁあっあ゛……!」
「そうですか。残念です」


先よりも一層大きくなった羽音は、紛れも無く臨也の後孔に埋まるバイブから発せられている物。黒く美しい猫の尻尾が装飾されているそのバイブは、臨也の尻から僅かに除く部分からその存在を表にし臨也の羞恥を更に煽る。頭に付けられたカチューシャも同じく猫仕様の物だった。
何故、なんてことを問う余裕は無い。とにかく今は、無理矢理押し込まれた苦痛と異物感の中で、それでも時折いい処を掠めるその動きを止めて欲しくて仕方がなかった。


「あっ、あっ、…も、やめろ、よ……っ…これ、抜い、ひッ」
「ならば首の在り処を」


どれだけ攻め立て追い詰めても、臨也は首を縦に振ろうとは決してしない。その確固とした態度に、鯨木は「仕方ないですね」と小さく溜め息をついた。と同時、手元のバイブリモコンで振動を強へと変える。


「あっ、ゃっ……あっあああ゛――――!!」
「いいでしょう。ならば特別に選択肢を差し上げます」
「くっぁあ……っは、あっ、あーっ、あっ、ア」
「猫のように鳴きなさい。そうすれば、バイブと頭についたそれを外すことくらいはしてあげましょう」


ほんの一瞬だけ、今までぐちゃぐちゃとしていた脳内がクリアになる。猫のように……それは、この状況の臨也にとって最も屈辱的で、また屈しがたい選択だった。


『なになに?趣味?もしかして鯨木さんって、休みの日にネコミミと尻尾をつけてポーズとりながらにゃん☆とか言ったりするのかニャン?』
『悪くありませんね。試してみます』
『勘弁してよ。腹筋がちぎれそうだ』



ほんの数時間前にしたであろう鯨木との会話と今の自分の様とを結びつけ、その皮肉に生理的な涙で潤んだ眼光を向ける。けれどそんなもので鯨木が怯むはずもなく、彼女はそれを難なく往なした。さしずめそれすらも、数十分前に彼女と臨也が交わした眼光を、臨也が軽く往なしたことを皮肉んでいるかのように。


「はは……、冗だ、ん それは、ぁっ、んたの趣味、だろ?」
「いつか試してみましょうとは言いましたが、誰に、とは言っていない。それが貴方であっただけに過ぎません」


酷い屁理屈を捏ねてきたもんだ。そう言って笑うよりも先に、鯨木は振動するバイブに手をかけ激しく抜き差しを繰り返す。まるで臨也の行動の先を読み、それを態と阻んだかのようなその動きに舌を打つ余裕など臨也にはとうの昔にない。陸に打ち上げられた魚のように無力に、そして不様に跳ねる事しか許されていないのだ。


「あっぐぁああ、ぁふ、んあぁあ、……ら、も、ゃっ、アっ」


実際、臨也はもう限界だった。苦痛でしかなかったはずのこの行為が、いつの間にか快楽のみを与え続けている。最初こそ萎えていた臨也の性器も今ではすっかり勃ち上がり、浅ましい汁を垂らしていた。
今はまだ何とか鯨木の言葉にも反応出来るが、このままではいつか確実に堕ちてしまう。理性をも手放してしまう。だが、ここで鯨木の言うことを聞く訳にもいかなかった。


「ふぅっ……ぅっ、くぁ、あ」
「……強情ですね、貴方は。もし今言えばコレも楽にしてあげようと思いましたが」


そう言って鯨木は臨也の性器をつ、となぞる。それだけで臨也の身体は面白い程跳ね、口からは嬌声があがった。


「それでもまだ抵抗しますか?」


悪魔のような囁きが耳元で呟かれる。
言えば、楽になれる。イけない苦しみからも、この果ての無い屈辱からも。
 一瞬だけ揺らいだ気持ちに追い打ちをかけるように、バイブが前立腺に触れた。

それが臨也の理性とプライドを崩すのは、いとも簡単な事だった。


「あっ、あっ、……ゃあ…、にゃ、あ……!」
「どうして欲しいのかも、ちゃんと」
「ふ、ぁ……これ、も、抜いて! イかせて欲し、にゃあ…っ、あっ、あああアあ!!」


素直に自分の言うことをきく臨也に「可愛い」と呟き、鯨木は約束通りにバイブを引き抜いてやった。と同時、苦しそうに脈打つ臨也の性器も扱いてやる。一際大きく啼いた後、臨也は勢いよく白濁を放った。


「ふっ……ぅあ、あっ、はぁ、はっ、」


ぐったりとソファーに沈み息を乱す臨也の頬に、鯨木の手が添えられる。ゆっくりと視線だけをそちらに向けた先、そこには先程と変わらない、けれど先程以上に恐怖を煽る無表情があった。




「まだまだ、これから……」




その女は無表情ながら、臨也には確かに、笑って見えた。


















――――――――――――

お久しぶりの更新になります><

中々文が思うように書けなくて、気晴らしにぱぱっとエロでも書こうと思い書き初めてから一ヶ月くらいが経ちました(笑)

小説10巻を読み終わってまず始めにした妄想が正にこの話で、鯨木さんにいいようにされちゃう臨也さんってすごく禿げると思いませんか?
 気づいたら髪が禿げ散らかっていたのは私だけではない……はず…。


(20110918)
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