*祝(?)420の日!










 「シーズちゃん」


 いつもはツンツンとしてこ
 っちなんて見ない恋人の、
 珍しくも可愛らしい。そん
 な甘えた声が僅かな重みと
 共に上から降ってきた。
 幽の載っている雑誌から目
 を離してそちらへ向くと、
 俺の首に腕を回してふわり
 と綺麗に笑う臨也の姿。


 「シズちゃんシズちゃんシ
 ズちゃん!」
 「お、おい! 何だよ突然
 」
 「シズちゃん、大好き」


 何なんだ一体!!

 こいつは、普段俺がどんな
 に望んでも甘えてなんてく
 れはしない。いつだって返
 ってくるのは「馬鹿じゃん
 」「死ねよ」なんていう辛
 辣な言葉。それが仕事中な
 ら返事どころかこっちを見
 ることすらしない。

 そんな臨也が、どうしたこ
 とか今日は随分と甘えたら
 しい。読んでいた雑誌を横
 に置けば、まるでそこが自
 分の場所であるかのように
 俺の膝にちょこんと座った
 。成人男性よりもスラリと
 したその体は、重さなんて
 微塵も感じさせない。そこ
 ら辺の子供よりも軽いので
 はないかと思わせる一方、
 艶めかしく首に巻き付く腕
 がそれを否定した。


 「……手前、今日はどうし
 たんだよ」
 「んー?」
 「いつもはもっと、こう…
 」
 「いいの、今日は特別」


 猫のようだ、と思う。喉な
 ら撫でさせるのに、尻尾は
 掴ませてはくれない。いつ
 だって大切な物には触れさ
 せず、ゆらゆらとその存在
 だけを見せつける。こいつ
 の場合は、引っ掻いても時
 折可愛く甘えてくるのだか
 ら、余計に質が悪かった。


 「…――シズちゃんの日だ
 から、特別」
 「? 何か言ったか?」
 「ううん、何にも」


 そう愛らしく微笑んで、折
 原臨也は今日だけは、と静
 雄の胸に顔を埋めた。
 ふわりと香る自分と同じシ
 ャンプーの匂いに頬を緩ま
 せながら、静雄もまた、今
 日だけはと臨也の好きなよ
 うにさせてやる。そして時
 折、こっそりと臨也の髪を
 撫でた。

 その感触に気持ちよさそう
 に目を細めながら、臨也に
 とっての特別な一日はゆっ
 くり、ゆっくりと流れてい
 った。










 ――――――――――――


 420の日わっほい。

 ネタを考えよう考えようと
 思っている間にあれよあれ
 よと時は流れ、気づいたら
 なんと今日が20日でした。

 一瞬タイムスリップしたの
 かと……(笑)

 とりあえず特別な日にだけ
 甘える臨也さんとか可愛い
 かな、と思いました。が、
 私が書いたら微塵も可愛い
 さを表現出来なかったとい
 う罠。というかオチ。

 もうちょっと読める文書か
 ないとですねoyz

 という訳で頑張ります!




 (20110420)
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