*ヤンデレ臨也さん







 俺の目に映るのはいつも同
 じ風景


 周りを囲む灰色のコンクリ
 ートの壁


 人工的に室内を照らす蛍光
 灯


 動く度にジャラジャラと煩
 く鳴る、手足につけられた
 枷


 そしていつも泣きそうな顔
 で愛を紡ぐあいつの姿




 「シズちゃん、好き。好き
 だよ。愛してる」
 「……臨也」
 「ずっと傍にいて。どこに
 も行かないで。ずっとずっ
 と、俺と一緒にいて。愛し
 てる。愛してるんだよ、シ
 ズちゃん」




 もう何度、その言葉を聞い
 ただろうか


 もう何度、これと同じ会話
 をしただろうか


 あと何回、同じことを繰り
 返すのだろうか




 「好き。愛してる。愛して
 愛して愛して愛して愛して
 愛して愛して愛して愛して
 愛して愛して愛して愛して
 愛して愛して愛して愛して
 愛して愛して愛して愛して
 愛して愛して愛して愛して
 愛して愛して愛して愛して
 愛して愛して愛して愛して
 愛して愛して愛して愛して
 愛して愛して愛して愛して
 愛して愛して愛して愛して
 愛して愛して愛して愛して
 愛して愛して愛して愛して
 愛しても足りないくらいに
 、君を愛してる。」




 わかってる


 こいつのこれが、愛ではな
 く依存であるということく
 らい


 こいつが、もうとっくに


 狂ってしまっているという
 ことくらい




 「臨也」




 嗚呼、動く度にジャラジャ
 ラと鳴る枷が煩い


 臨也の頭を撫でる度、抱き
 しめる度になる鎖の音がウ
 ルサイ


 わかっているのだ


 こんな玩具、俺が少しでも
 力を込めれば千切れてしま
 うことくらい


 この薄い壁が、俺が少し力
 を入れて叩くだけで崩れて
 しまうことくらい


 俺が一言“嫌い”と言えば
 、全て終わるということく
 らい


 でも、それをしないのはき
 っと――――




 「好きだよ、お前のこと。
 ――…愛してる」




 俺も狂ってしまっているか
 ら










 (20101001)
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