※裏注意!








異変は、チョコを食べ終えてから15分後に起きた。


「……っ、…………っは、」


異様に体が熱い。それも風邪の時みたいに熱が外に放出されるような感じではなく、内でずっと燻るように。ぐるぐると、まるで体の中心から内包されるように、渦を巻いて体中に熱が広がっていく感覚。そしてそれが最終的には一つの場所に集結するのだ。具体的には、そう、……下半身に。


「臨也」
「し、ずちゃ、何か…もっ、たろ……っ!!」
「新羅が、即効性はないけど持続性があるからダイジョウブだって」
「あっ、も、さいて……っぅ、あ」


服が擦れるだけでそこから新たな熱が生じる。乾いた喉に唾を送るだけでも体が快楽を拾った。
ぐったりと体を動かせなくなってしまった俺に、情欲に濡れたシズちゃんの瞳が近づいてくる。ああでも、その瞳に反射して映った俺の瞳も否定出来ないくらいに濡れていて。

それでもやはり彼ほど獣じみたそれではなかったのだけれど。







* * *





ぐちゅりと、三本もの指をくわえこんだそこが淫猥な音を立てる。ヌトヌトと焦らすような手つきは、誰がどう考えても確信犯だ。
こんな前戯の間に何回、俺はイかされた事だろう。乳首を弄られて一回。さらに指を増やされる毎に一回ずつ。最低でももう四回は達しているのに、これがまだ前戯である事に絶望を感じずにはいられない。もうとっくにシズちゃんを受け入れる準備は整っているのに、一番ほしいものは未だ与えられずにいた。


「ふうぅっ、しずちゃあっぁ」
「まだ駄目だ」
「そ、な、っやぁあっあぅっああ……!」


内壁の弱いところを責められて、通算五度目の絶頂を迎える。体力的にはとっくに限界。だがそれ以上に体中を暴れる熱が引いてくれなくて、うずいて仕方のないこの体に翻弄され続けるばかりだ。だからこそ早くシズちゃんが欲しいのに、それさえも計画通りなのか、シズちゃんが俺の要望に応えてくれる気配はない。せめてもの意趣返しにと睨み付けると最初以来放置され続けていた乳首を痛いぐらいにぎちりと摘ままれた。


「ひぃ゛ぃィっイ゛……っっ!!!」
「すげえなアレ。こんな出したのにまだちんこ勃つのかよ」
「ひぃあ゛ッあひ、や、らめ、もぉむり、らからぁ……ぁん、んあぁあ」
「前も下もグチョグチョだなぁ、臨也くんよぉ」


乳首と、尿道に爪を立てられ申しわけ程度にぴゅるるっと精液が飛ぶ。もう、焦点すらろくに合わない。前や下だけではなく、きっと顔だってぐちゃぐちゃに違いなかった。


「しぅ…しぅひゃ、やら、むりぃ……」
「今日はエイプリルフールだぜ? それとも、それ分かってて否定的なことばっか言ってんのか? 淫乱な臨也くんはよぉ」


その言葉に、思わず口角が上がってしまった。淫乱というのは気に入らないが、今日は見逃してやることにする。だって今日は少しだけ特別な日だから、セックスにノリノリなのも、シズちゃんの失言も、少しなら許容してやろうと思ったのだ。
それにこれはシズちゃん本人も自覚していない事だけど、シズちゃんは順当に進むセックスよりも、僅かな抵抗を含んだセックスの方が乗るらしい。現に今の彼ときたら、ギラギラという擬音がぴったりなくらい目が輝いてる。


「むり、らよぉ……シズちゃ、やめれぇ」
「やっぱ手前わざとかよ。いいぜ、おもしれぇ」


三本の指がずるりと抜かれ、代わりに待ち望んだ熱が押し当てられる。どうしようもなく抑えられない期待に、熱い吐息が漏れた。
そしてずっと欲しかったそれが、俺の中に、入、って……、


「うゃああっあっぁああ、―――ァあッ」
「……っく、あちぃ」


焦らすことなく、どころか一気に押し入ってきた衝撃に喉が反れる。引き攣る声も、快感すらも一時的に忘れた。


「おいおい、手前はどんだけイったら気がすむんだ? このままイきっぱなしでも体験してみるかよ」
「はぁ、はっ、はひっ、」


とんでもない。これは本当に。もし今この状態で攻め立てられたら、冗談抜きでイきっぱなしで死んでしまう。いくらシズちゃんを優遇してやるからって、それは割に合わなさすぎだろう。


「むり、ほんと、今ぁ…いまだ、だめ、――――っア!? ぅそ、待っ、あっぁあ!!」
「だぁら、臨也くんよぉ……」
「ひっぃあ、し、ひゃ、ぁあっああ゛あ、やぁあっアひっ」


ああ、シズちゃんすっごくいい笑顔。でも残念なことに(あるいは幸運な事に)俺の記憶に残っているのはここまでだ。声に、言葉にならないような波が、引くことなく押し寄せてきて僅かに残っていた理性ごとさらっていく。視界と思考がぼやけて同時に消えた。


「今日はエイプリルフールだって、何度も言ってやっただろ?」













――――――――――――

結局420の日にも間に合わず。
ホワイトデーとエイプリルフールとえっちにシズイザと420の日を一気にまとめた作品でした!


(20120507)
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