※裏注意!
※一部暴力的な表現も含みます。






「ひぃっやだぁ…! シズちゃん、やだ、やっ」
「うるせぇよ。黙れ」
「あぐッ、ぅ、あ」


こうやって抵抗して、殴られるのは何度目だったか。
涙と殴られた事による腫れで、既に俺の目は殆どその機能を果たしてはくれなくなってしまっていた。
何でこんなことになったんだっけと思考を巡らせようとしても、彼の揺さぶりがそれを邪魔する。
 涙も声も、出せるものは全て枯れてしまった。ただ一つ彼の精液だけが溢れるほどに俺の腹を満たして、それが気持ち悪くて仕方が無い。

“肉体的にではなく精神的に痛めつけてやる”それが彼の言い分だった。相手は人の形はしているが、あの平和島静雄――池袋の化物だ。人より多少身体能力の高いだけであとは普通の人間である俺が、そんな化物に徹底的に追い回されれば逃げ切れないことなど、目に見えている。

いつか、そうなる日が来るだろう事は分かっていた。ただこんな展開に持っていかれるとは、誰が想像できただろうか。


「……だ、ゃだ、もぉ、いや」
「はっ、今さら何言ってやがる。まだまだこれからだろ? なぁ、臨也ぁ」
「ッや! やだおねが…っシズちゃ、ひっぃ゛あっ、あ゛ぁぁあッ!!」


何度目になるかも分からない否定の言葉も聞き入れられることなく、どころか望みに反して俺の中に埋まり続ける杭が再びその質量を増した。
 ああ、信じられない。こいつ。どれだけ吐き出せば気が済むのだと言うくらい出しておいて、まだ勃つのか、俺相手に。
そしてそれ以上に信じられない事は、俺がこいつに恐怖しているということだ。
この行為がではないく、今俺に行為を強要しているシズちゃんが、俺の全く知り得ない平和島静雄だったから。それがとてつもなく、怖かった。


「やだ、ぁ、ふ……助け、ゃっ、ぅあ、」
「…っ、はは、手前が泣いてんの、すっげーそそる」


もう枯れ果てたと思っていたそれが、鬱陶しく流れ落ちる前にシズちゃんに舐め取られて消える。ついでとばかりに首筋にガリっと歯を立てられたけれど、その程度の痛みは痛みと感じられなくなるくらい痛めつけられたこの体では、彼の望むような反応をしてあげられそうも無い。
それがお気に召さなかったのかシズちゃんは、無理矢理に開かされている俺の足を握る手に力を込めた。


「ぃぐっ……いだぁ、痛い折れちゃ、よぉ……しずひゃ、」
「もっと泣けよ、臨也。なあ。これ折ってやったらもっと泣けんのか?」
「え? う、そ……だよね、シズちゃん、嘘」


――――手伝ってやるよ、手前が泣くの。
耳元で囁いた悪魔の声を理解するよりも早く、形容するならばビキリという音を立てて俺の体が軋んだ。

喉が絞られるかのような、声。いや、それを声と呼ぶには余りにも粗末だっただろう。
いっそ気絶してしまえば楽だったのだろうが、シズちゃんはどうやら本当に、徹底的に俺を痛めつけたいらしい。意識が飛びそうになったのも一瞬、それは直ぐに再開された律動によって阻害された。

痛い、なんてものじゃない。折るだけ折って後は放置された足は、揺さぶられる度に文字通り骨が擦れる痛みを断続的に与えてくるし、そもそも後孔の痛みだって忘れられたものじゃないのだ。

最早なぜ泣いているのか、何を叫んでいるのかも分からない。

ただ、満足そうに笑みを零す化物に体を震わせる事しか出来なかった。


「あ゛−っアア、ぃぎひぁ゛っあ゛ァああ、いぅっぐ……っう」
「あー、締まる。手前ずっとそうしてろよ。手前の骨なら、いくらでも折ってやるからよぉ」


「――人間の骨って、全部で何本あんだろうなぁ……臨也?」





You whom I do not know
(その日化物は、青年の悲鳴すら飲み込んだ)








――――――――――――

紫音様のリクエスト、「怖がる臨也を無理矢理犯す鬼畜なシズちゃん」でした!

私が思っている以上にシズちゃんが酷い人になってしまい、少し驚いています(笑)
でも臨也さんを虐めるという意味も含め、書いていて凄く楽しかったです!
この手の作品は今まで読むの専門でしたが、とてもいい勉強になりました^^。

気に入らない点等ありましたら、何でも言って下さい^^! いつでも受け付けております。

この度はリクエスト消化が遅れてしまい、大変申し訳ありませんでした。
それでは、素敵なリクエストありがとうございました!


(20120118)
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