あとがき




 この度は「泡沫の夢に恋焦がれ」を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 以前から別シリーズで転生夢を書いていて、同じ名前で同じ顔でとなると、同じ世界に存在出来ないよな……と深く考えすぎた結果、出来たのが今回のお話です。
 原作沿いの夏油と祓本の夏油はあくまで別の人、でもどこかで繋がっている存在みたいな雰囲気で書かせていただきました。
 また、このシリーズは五条夢「君待つ宵は夢現」の約二年後として書いています。夏油夢単体としても読めますが、五条夢を合わせて読んでいただくと、何となく五条の事情も分かっていただけるのではないかと思います。

 夏油視点、夢主視点と互いに答えは出ているのに、互いにそれを知らず、すれ違ってモヤっとする感じが個人的に好きで書いていました。
 夏油は三十年、呪いのない世界の住人として生きていて、その途中で術師としての夏油の記憶が入った状態なので、二重に人格があるような状態で悩むことが多そうだなと感じます。対して、夢主は最初から記憶を持った状態で転生しているという感じなので、二人の間に温度差があり、余計にすれ違うことも多そうです。

 今回、夏油は記憶を取り戻した時、私には幸せに出来ないと硝子に言ったものの、どこかで出会ってしまったら落とそうとしたかもしれない。夢主に彼氏がいるという情報だけで、何が何でも夢主を落とさないと!と考えてしまう夏油の覚悟は弱々です。ストーカー気質です。

 夢主は不思議ちゃんというより、人が好きだけれど、他人との距離感を掴めない人というイメージで書きました。よく言えば嘘を吐けない正直者、悪く言えば空気が読めない人。極端に人を避ける行動を取ったり、自分が好きだと感じた人には執心する。裏表がないからこそ好かれることもあります。

 前世?の良い所だけを受け取り、悪い所は切り離すという器用なことを夏油は出来なさそうなので、悩みながらも幸せになってくれたらと感じます。

 余談ですが、夢主を駅のホームで待ち伏せをしていた時、パスワードを覗き見していました。それを見て勝手に連絡先を登録したり、彼氏情報を得ようとしましたが、連絡先には別のパスワードがあった為、見れずにいましたが、SNSで夏油にアピールする為にコメントしていたのを見て、めちゃくちゃ喜んでます。アラームを変更したのは、チェックアウト時間に寝坊しない為です。夢主は未だにそれを知らないと思います。

 改めまして、「泡沫の夢に恋焦がれ」を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!






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