#66.無意味な喧嘩





 時々、悪夢を見る。
 起きた時には覚えておらず、でも無性に悟や傑に会いたくなる。声を聴きたくなる。何故泣いているのか理解出来なくて、私はちゃんと地に足をついて歩いているのか、不安になる。最近は特に酷い。きっと、父の噂を聞くようになってからだ。悪い予感しかしない。

「大丈夫、私は、呪いじゃない」

 大切な物が増えた。前までは生徒達に怖がられていたけど、最近の子は私を快く思ってくれる。
 だからだろうか、愛されることが恐ろしい。人から愛されるような人間になりたい。
 それが現実になってくると、私が彼らを傷つけてしまうのではないか、と恐ろしくなる。この悪夢はきっと、私の不安の現れ。

「はぁ……仕事しよ」

 呪術師として任務を熟している時だけは、これでも人の役に立てているのだと、存在することを許されているような気がする。悟や傑に触れると、愛していいんだと、人間らしくいていいと許されているような気がする。

「あ、涼華ちゃん!」

  高専でふと声を掛けられ、顔を上げると、そちらからナイフが飛んできて、サッと手で塞ぐと、左手にそれが突き刺さる。

「ちょ、ちょっと!刺さっちゃったじゃん!」
「あれがアイツの通常通りだっての」
「はっ、だからって挨拶がわりに投げるってか?暗殺者か何かか」

 ナイフが飛んできた方向を見ると、甚爾さんと金次、綺羅羅がいた。お兄さんは生徒の前で何を考えてるんだ、と思いながら、私は彼らに近づいていく。

「ちょっと、お兄さん?何でこんなナイフ持ってるの?お兄さんは武器持ち出し禁止でしょ?持ち出していいのは殺傷能力のない木製の、」
「はいはい、分かってるっての。だから今返したろ。真希に借りたもんだ、返しとけ」
「真希に?何で」
「武器持ち、ナイフでかかって来いってよ」
「役立つ日が来ないことを願うしかないね」

 真希は結構、熱心に甚爾さんに訓練してもらっている。何だかんだ気が合うんだろうか。似てるもんな、雰囲気が。

「ま、それは俺らが証人だ。さっきまで一年がいた」
「へぇ。お兄さん人気なんだね」
「近接は最強って涼華ちゃんのお墨付きがあるからかな。五条 悟よりかは訓練付き合ってくれるし?」
「悟は忙しいからね」
「夏油さんにも声掛けといてくれよ。あの人の格闘技は熱くていい」
「高専に来る時があれば、ついでにいいかもね。言っておくよ」

 私がナイフを引っこ抜くと、綺羅羅はうげ、と眉を顰める。そのまま反転術式で傷を塞ぎ、血を消す。その一連の流れをしていると、金次は私を見る。

「てか、何で甚爾さんは武器持つの禁止なんだよ。武器持たせたら強いってのに。しかも、呪術師としての仕事はしちゃいねぇ」
「お兄さんにその理由聞いた?」
「お金稼ぎの為にやってるだけだからってさ」
「まぁ、その通りだね。それが理由。武器が持てないのは、正式な高専な人間じゃないから」
「ふーん……それはつまんねぇ話だな」
「俺はもうどうでもいいけどな。それより涼華、金貸してくれ」
「今度は何?」
「馬」
「はぁ……」

 仕方ない、と私は財布から一万円だけ取り出して手渡すと、彼はにっと笑い、私の肩を抱いたかと思うと、髪にちゅ、とリップ音を立てて、キスを落とす。そしてそのままサンキュー、お疲れ、と帰って行った。

「涼華ちゃん、弱み握られてるとか?それとも三股?」
「いや、お兄さんは初めからあんな人だよ。弱みは握られてるかな」
「惚れた弱みか?」
「まぁ、近いっちゃ近いけど……恋してるわけじゃないよ。放っておけないってだけ。あ、悟と傑には言わないでね、怒るから」

 絶対、ヒモ男なんだから貢ぐなって言われるんだよなぁ。甘やかすな、とか。想像がつく。

「涼華ちゃんの弱み握っちゃったー私達にも何か奢ってよ」
「奢ってあげたいけど、まだ任務があるんだよね。ほら、特級呪術師って忙しいからさ。一年生連れて、どこか行って来なよ。これも内緒ね」

 そう、綺羅羅に一万円を持たせると、金次はふと笑う。

「はっ、そんなに恋人にバレたくないことか?」
「言ってもいいけど、面倒だなってだけ。特に傑は喧嘩っ早いというか……傑も近接に自信あるからか、お兄さんを敵視してるし、よく思ってない」
「もう一人の彼氏も?」
「まぁ……悟も煽って煽り返されて、喧嘩が始まる」
「特級の喧嘩か、見てみたいな」
「あ、余計なこと教えちゃった?」
「その情報をどうするかはこれから考えるさ」
「口止め料払ったのに?」
「受け取ったのは綺羅羅だ」
「屁理屈だ」

 金次の前では気をつけなきゃなぁ、と考えていると、綺羅羅はあ、と声を上げる。

「聞こうと思ってたんだけど、涼華ちゃんって何で二人と付き合ってるの?」
「何でって……好きだからって理由以外にないと思うよ?」
「どこが好きなの?」
「強いからだろ。涼華以上に強い相手っつったらその二人だ」

 私は五条 悟と夏油 傑という人間が好きだけど、それは強さも含まれてるんだろうか。でも、あの強さがなければ、私は彼らを信頼しきっていなかったかもしれない。あの強さがあるからこそ、守られてると感じるんだ。

「それもあるかもしれないね。あの強さも彼らの魅力の一つだと思う」
「ふーん……じゃあそれ以上強い奴はどうだ?」
「好きになるかって?まさか!強さは彼らを作っている物の一部であって、それ以上に強い人間が現れたとしても、気が変わることはないよ」
「そんだけ熱があるってことか」
「そういうこと。好かれてる自覚もある。私達の熱は簡単には冷めないよ」
「すっごい惚気!」
「はは、それじゃあね。一年生を誘うんだよー」

 また面倒なことにならなきゃいいけど、と私は考えながら、その場から離れ、傑には『金次が相手してほしいって言ってたよ』と連絡はしておいた。


 数日後。
 憂太からメッセージがきた、とそれを開いてみると、一年、二年生に囲まれる甚爾さんと傑の写真と共に『喧嘩が始まりそうです』という言葉が添えてあり、私はその中に金次がいた為、これは例の件だな、と溜息を吐く。また怪我でもして、硝子頼りになって叱られるのに、何してるんだか。
 私は高専内のいつも甚爾さんが使っている運動場へ行くと、甚爾さんと傑が訓練とは言い難いほど本気で殴り合っていて、しかも写真にはいなかった悟もそこにいた。すると憂太は私に気づき、あ、と声を上げる。

「涼華さん、伏黒さんと夏油さんが喧嘩始めちゃって」
「金次が唆しちゃった?」
「まぁ……その後、五条先生も来て、余計ヒートアップしちゃって。皆もこんな機会ないからって乗ってしまったし……」
「だから皆、見学してるんだね」

 私は怪我されても困るなぁ、と止めに入る為に声を掛けた。

「傑、お兄さん、ストップ!」

 その声に傑は一瞬、動きを止めるが、甚爾さんは止まらず、思い切り傑の腹を蹴り上げて吹っ飛ばすが、彼は腹を押さえながらも立て直す。

「ストップって言ったでしょ、お兄さん」
「聞こえなかったな」
「涼華じゃん、この浮気者ー」
「浮気?何の話?」

 悟は振り返り、私を見てそう話すが、甚爾さんにお金を渡すことは正直よくあることで、二人も知っている。それがどう浮気に繋がるのか分からない。金次と綺羅羅を見ると、彼らは目を逸らす。それに有る事無い事言ったな、と私はふと息を吐く。

「浮気なんてした覚えないけど?」
「涼華が浮気なんてするはずないだろう。本気にするなよ、悟」
「二股はいいのかよ」
「こんぶ……」
「判定がおかしいよな」

 それはごもっとも。互いに嫉妬はするが、それを浮気だとは言わない。それが甚爾さんや硝子、後輩メンバーなどになると、急に浮気だと言い始めるのだから、そこの差が私に分からない。だからこそ浮気、と言っているのは、私が甚爾さんと何かあったと思ってるからだ。

「金次が何を言ったか知らないけど、お兄さんとは別に何もないよ。いつも通り」
「誰も甚爾と何かあったって言ってないじゃん。しかも金次から聞いたって疑ってるし。やっぱ疚しいことがあるんだ?」
「ふん、嫉妬深い男は嫌われるぞ」

 甚爾さんはそこに水を差すようにそう言うと、悟はイラッとしたのか、振り返って彼を見る。

「黙ってろって。僕は涼華と話してんの」
「傑も何で喧嘩してるの?お互いに怪我をするだけなんだからやめなよ」
「喧嘩ではないよ。ただ手合わせしてるだけさ。ほら、皆見たいんだよ。手本になる」
「本気の殴り合いは手合わせって言わないよ。金次、何を言ったの?」
「俺はただ、涼華の好みは強い男って話しただけだ」
「この男に金を渡して、キスのお返しも貰ったって話付きでね」

 甚爾さんは元々あぁいう人だから、と気にしてなかったけど、確かに髪にキスをされたが、わざわざ煽ることを言って……しかも綺羅羅もそれに乗っかって私に好みを聞き出したんだな。

「事実だけど、キスといっても、調子良く髪にしただけで、」
「それを良しとしてるのはどうなんだい?」
「そうそう。僕らなんて最近、忙しくて忙しくて会える機会もなければ、オマエにキスの一つも出来てないんですけどー!」
「喧嘩してる暇があるならキスの一つや二つ出来ると思うけど」
「生徒の前でしてほしいの?するけど?」

 そう、私の頭を掴む悟に、私はこれは本気でやるつもりだ、と彼の口を手で塞いで止める。

「いい大人のしょうもねぇ痴話喧嘩は興味ねーんだよ。特級の殴り合いをしろ」
「しゃけしゃけ」
「そんな物騒な……」
「それに、君が他の男に目移りしないくらい強いってとこを見せなきゃね」
「僕らは最強だから」
「ふん、二人がかりでも無理だっての。クソガキ」

 そう、甚爾さんが鼻で笑った瞬間、悟はぐるりと身体を捻り、背後にいた甚爾さんに回し蹴りを食らわせる。それに来ると予測してしていたのか、甚爾さんはそれを腕で止める。

「じゃあ二人がかりでボッコボコにしてやるよ。後で津美紀に叱られても知らないからな!」
「私も、涼華にいいとこ見せたいからね」

 甚爾さんが怪我して津美紀に叱られるのは悟も一緒だし、傑は無駄に美々子と菜々子に心配されるだろうな。

「いいぞーやれー」
「誰か、どっちが勝つか賭けるか?」
「甚爾が勝つ方にカルパス一年分」
「おかか!明太子」
「えー私はやっぱ甚爾さんかなぁ、呪力なしでしょ?フィジカルギフテッドの甚爾さんが強いよ」
「俺は五条夏油チームだな」
「私は甚爾が勝つ方に賭けてやるよ」
「……涼華さん、いいんですか?」
「仕方ない。憂太もこの機会に見学したらいいよ」
「諦めが早い……」

 皆がそれぞれに賭けるが、私は正直、どちらが勝つのか分からなかった。昔の強さが未だに残っているのなら、確実に勝つのは甚爾さんだ。でも、それ以上に二人が強くなっていたなら、どうなるか分からない。そして三人は戦い始め、私は本気じゃないだろうな、と思いながらも、生徒に離れるよう促して、それを観戦する。ここで甚爾さんが負けてくれれば、二人は満足するかもしれない。
 結果的に甚爾さんが押されていて、少し意外だった。やはり悟と傑は二人で任務を熟していただけあって、息ピッタリだし、流石の甚爾さんでも武器なしだと厳しいのかもしれない。

「あー、こりゃ甚爾が負けるか?」
「間に合ってないって感じだな。特級二人相手だと無茶か」
「というか、決着つくのかな。もう十五分くらい経つけど」
「こんぶー」
「おい、何事だこれは」

 そこに正道学長が来て、私はまずい、と立ち上がる。

「あー…….特級の手合わせをちょっと」
「手合わせには見えんが、いつものだろう」
「夜蛾のおっさん、止めんなよ。今熱いんだよ」
「悟にはまだ任務がある。また遅刻をして伊地知を困らせるな」
「えー、結果も出ずに終わり?」
「ま、でも一対一なら甚爾さんが強いかもな」
「そうだろうね……おーい!もう終わり!ストップ!」

声を掛けてもそれが聞こえておらず、私は深い溜息を吐く。すると正道学長は止めて来い、と同様に息を吐いた。それに私は仕方ない、とそこに走って行くと、頭に血が上ってる悟と傑に向かって足蹴りするが避けられる。

「涼華?」
「何で止めんの?俺らが勝ちそうだったのに」
「終わりだよ。正道学長が来た」
「何だよ、大人ぶって。決着ついてないっての!」
「そうだよ。ここで分からせておかないと、彼はまた、」
「勝っても負けても何も変わらないよ。二人は私が何しても嫉妬するんだし、甚爾さんはお金をせびるし。悟はこれから任務でしょ?」
「……キスしてくれたら許す」
「君はいつもチョロいな」
「いーじゃん!生徒の前でカッコつけたかったけど、コイツマジでしつこいし!津美紀に叱られんのは僕も一緒だし」
「はぁ……津美紀に言うなよ、面倒だから」

 思ったより怪我をして甚爾は津美紀に叱られることを想像したんだろう。彼も肩の力を抜くと、彼らも諦めて力を抜いた。

「キスして」
「ん、おいで」

 悟はすり、と私が伸ばした手に擦り寄ってくると、キスを強請ってくる。私は彼の頭に手を回し、引き寄せると、生徒側に見せないようにキスしてやる。少し血の味がする。

「ん、満足」
「怪我、自分で治せるよね」
「僕を誰だと思ってるの?」
「五条 悟。最強でしょ?」
「んふふ、そう。だから許してあげる」
「ありがとう。早く任務に行ってあげて」
「夜会える?」
「ごめん、私もまだ夜に任務があるの」
「じゃあまた今度」

 悟は機嫌良く去って行き、甚爾さんも生徒に、甘ったるいイチャつき見たくなかったら帰れ、と彼らを退散させていた。残された傑は機嫌悪そうに私から顔を逸らした。

「傑も機嫌直して」
「私は悟みたいにチョロくないからね」
「だろうね。悟の言葉を借りるなら、ねちっこいってやつ」
「……もっと機嫌が悪くなった」

 傑は私の肩に顔を埋めると、私は彼の背を撫でてやる。

「医務室行こう?美々子と菜々子が心配する」
「分かったよ」

 私は彼の手を引いて医務室に行くと、硝子は私達を見て溜息を吐いた。

「くだらない喧嘩の怪我なんて治さないぞ」
「知ってたんだ」
「休憩に外に出たからな。夏油も、恋人に治療してもらった方が嬉しいだろう。涼華がやりなよ。私はちょっと出てくる」
「はーい」

 硝子は出て行き、私は基本的な知識はある為、黙って椅子に座った傑の治療をしよう、彼の顔の傷を診る。大人しくしている彼に、私はいい加減、機嫌を直してほしいなぁ、と話をする。

「二人がお兄さんをよく思ってないのは知ってるけど、ここまでする必要ないでしょ?」
「……君とは関係なく、ただ私が気に入らないだけだよ」
「何で?」
「君と悟を殺しかけたんだぞ。理由はそれだけで十分だろう」
「そうだね」

 非術師だからという理由もあるんだろうな。真希を避けているのも知ってる。
 顔の傷の手当てを終えると、他に怪我してないか、と袈裟を着ている為、分からないな、ととりあえず袖を捲り、鮮や傷を診る。

「君を攫い、呪詛師に売ったのも彼だ。何度も君を傷つけておいて、次の日には君に取り入ろうとする。金までせびり、弄ぶ。君を分かった気でいるし、気に入らない」
「はは、不満が溢れてくるね」
「……キスはしないでくれ」
「しないよ。唇は傑と悟の為にある」
「硝子とはしたくせに」
「それは言わないで」

 私は大体の治療を終えると、傑の唇を指でなぞり、キスをする。しかし、彼はそれで満足せずに、言葉を続ける。

「時々考える。君が彼とキスをして、呪いが移ったら、と」
「ないよ」
「どうして言い切れる?硝子には移っただろう」
「硝子も私にとっては特別だから」
「……彼は違うのか?何が違う」
「明確に、愛し方が違うから。お兄さんにキスしたくはならない。お兄さんだって同じ気持ち。私に他とは違う別の感情があったとしても、それは恋心のような愛じゃない。キスするのは、ただ揶揄ってるだけ」
「それはそれで腹が立つ」
「嫉妬深いね、傑は」
「それくらい、君を愛してる」
「うん。私も愛してる」

 耐えきれなくなったように、彼は私にキスをする。深いキスをして、舌を絡ませていると、彼の身体はびくりと跳ねる。同時に血の味がして、口の中が切れてるんだな、と気づき、離れようとするが、彼は止まることなくそれを続ける。やっと唇が離れると、私は嫌い≠ニ呟く。それにまた、傑は眉を顰める。

「嫌いと言われるのはいつも私だ」
「悟はそれを嫌うからね」
「私だって嫌だよ」
「ごめんね。でもそれ以上に愛してるって言うから」
「君は愛してるって、無理に言ってない?」
「んー……そうかも。じゃあ、大好きって言わせて」
「そういう意味じゃなかったんだけど……」
「あれ?そうだった?」

 確かに、愛してるって少し恥ずかしい言い方だな、とずっと思っていたけど、傑が言ってくれるから、言おうと返す。そのことを言ってるのかと思ってたけど、違ったのか、と私が考えていると、彼は可笑しそうに笑う。

「そういう言葉自体を、恥ずかしがるのかと思ってたんだ」
「もう慣れた。でも、私は大好きの方がいいな。好きがいっぱいって感じで」
「ふふ、それは君らしい」
「大好きだよ、傑。私を信じて」
「……信じてる。私も大好き」
「傑が言うと変かも」
「じゃあやっぱり、愛してる、かな」
「それも少し恥ずかしいんだけどね」
「それは我慢して。愛してるよ、涼華」

 擽ったいけれど、傑の真っ直ぐな言葉が好きだ。時々拗ねてしまうし、でも、少し説得して、キスしただけで機嫌が直ってしまうのも、悟と同じくらい、チョロいと思ってしまうことは、彼には黙っておこう。
 私は愛されて、人間らしく生きることを許されている。こんなくだらない喧嘩で平和だと感じ、愛を感じるのだから、私はとても幸せ者だ。






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