マウンティングはもう少しお預けです(小ネタ/土新土)
2014/02/23 03:35
へったくそだなァ。いつまで経っても。
新八は、目蓋を固く閉じかぶり付くように唇を重ね、舌を絡ませてくる。
そんなに鼻息荒くがっつかなくとも、逃げるつもりはないんだが?
俺は言ってやりたいのだが、なんせ新八はその獰猛な口をなかなか放さない。
息苦しくなってきたのか、僅かに唇を放したかと思えば、また噛み付かれる。
……折角、この俺が大人しく主導権を譲ってやっているというのに。
もう何回繰り返したことだろう。一向に上達しないのは、一体どうした事だろう。
今までの俺のリードが何か悪かったのだろうか。
もしや、今までの俺のやり方が既にこんな感じで、実は下手くそだったと……?
俺は頭を振る。振りたかったが、新八がそれをさせてはくれなかった。
俺は、溜め息を飲み込んだ。口の中に溢れた二人分の唾と一緒に。
新八の後頭部に手を回し、頭を固定してやる。
「ン、ぬ……!?」
一度口を放してやると、新八は目蓋を開け、丸くした眼差しで俺を見た。
糸を引いた唾液が顎に伝ってみっともない。
みっともなかったので、舐め取ってやった。
「な……ムッ……!」
新八は何か言いたげに眉を潜めたので、俺はその言葉の出口を塞いだ。
唾液を流し込んで舌を絡めてやると、新八の体から力が抜けていく。
三十秒、弱。そうしてやれば、先程までの新八の勢いは陥落して消沈。
「……今日は、僕が、するって、言った……」
耳まで旨そうに茹で上がった新八を見て、俺は思わず、ほくそ笑む。
「……ふん、もっと勉強して出直しだな」
「しょうがないから付き合ってやるよ」新八は口惜しげに、熱に浮かされた瞳を俺に向ける。
……可愛いなァ。ああ、可愛い。
そんなことを心底思う俺の方こそ、きっと熱に浮かされている。
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発情期のネコが二人居ます。-=三ФωФ)
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