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愛妻の日

1(アイ)/3(サ)1(イ)の日から。
\もふもふの幼女が高校生になりました/

「たまちゃーん」
「何でしょうか、楓様」

久しぶりに部活が休みで、家でゴロゴロする。たまちゃんを呼べば、ひょこっと顔を出す。どうやら、服を畳んでくれているみたいだ。

「んー、今日何の日かわかる?」
「今日ですか?今日は1月31日でしょう?うーん、何でしょうか」
「友達が言ってたんだけどね、今日は愛妻の日、なんだって」

だから、たまちゃんに指輪の入った箱を渡そうと、出す。驚くたまちゃんを見て買って良かった、と思う。

「愛妻って、愛妻って言ってくださいました?!」
「う、 うん」

ガシッと出した手を両手でギュッと握られる。
思わず、押し倒されそうだったけど、気のせいだ。

「私、楓様に姉、とか、母、とかに思われてると思ってました……」
「確かにそう思うけど……たまちゃんは良妻希望なんでしょう?」
「やっぱりそう思ってますよねぇ……。確かに、楓様の良妻希望なんですけどぉ」
「うーん、じゃあ、やっぱりたまちゃんは私の良妻でしょ?……とりあえず、いつもありがとう。これからもよろしくね」
「はい!大好きです、楓様!」

次は抱きつかれて、踏ん張れずに倒れる。

「やーん、たまもったら大胆!」

そう言う割に嬉しそうで、指輪の箱を受け取って、開けると目を光らせる。

「友達に、宝石集めてる子がいてね。小さな青の宝石を安値で買い取って、指輪に合わせてもらったの。たまちゃんは青かなーって」
「………まあ、どこかの輩の魔力の匂いを感じますが、まあ、いいでしょう。楓様〜。たまもぉ、感激です!これで、楓様の手作りなら、言うことなしだったんですけどぉ」

そう言って、知っていますよ、さあ、出してくださいまし、と目で訴えられる。………だって、凛ちゃんの方がキレイだし。

「い、歪でいいなら、これ。たまちゃんが嫌なら、捨ててくれて構わな」
「たまも、一生の宝にしますね!!」

うまくできなかった私が作った指輪を出すとすぐさま取って跳ねている。………でも、悪い気はしない。

「楓様の思いが詰まった指輪!これで、次も」
「………?」
「な、なんでもありませんよ?」

ほら、お菓子を食べましょう。と居間に行った。

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