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もふもふ、もふもふ

※not 白野 yes 幼女


「楓様。もう、もふもふ、止めませんか?」
「えー……?」
「そ、そんな顔なさらないでくださいまし!」
「たまちゃんのしっぽ、もふもふもふもふ〜」
「(ご主人様のそんな幸せな顔を見ると何も言えないんですけどぉ……)」

楓が玉藻の尻尾をもふもふして幸せそうに顔を緩める。

「でもぉ、楓様ぁ。もっと、たまもに構ってくださいぃ!」
「じゃあ、たまちゃん、ぎゅ〜!」
「楓様ぁ〜!」

ぎゅーと抱き締めた楓にぎゅーと強く玉藻が抱き締め返す。

「たまちゃんは何したい〜?」
「楓様と一緒にいれたら、たまもぉそれだけで十分ですぅ」
「じゃあ、やっぱりもふもふしたい」
「う〜、まぁ別に、いいですけどぉ」
「いや?」

上目遣いで楓がそう言う。玉藻はその顔にめっぽう弱い。

「楓様、絵本を読んでさしあげましょう」
「ありがとう、たまちゃん!」
「さあさあ、たまもの膝にお座りくださいまし」
「はーい!」

笑顔で玉藻の膝に座る。その楓を見て、微笑みながら玉藻が手元にある絵本を読み始める。

「むかしむかし、あるところに………」


「めでたしめでたし」
「…………」
「楓様?」
「スースー……」
「なんと楓様がお眠りに……」

柔らかい表情で玉藻に寄りかかった楓の頭を撫でながら、楓を抱き抱える。

「たまもが添い寝さしあげますからね、楓様」


わさわさと尻尾を触られている感覚で玉藻は意識が浮上した。そして、敏感な耳を触られて完全に意識が覚醒した。

「楓様!?」
「ひうっ!?お、おはよ、たまちゃん」
「はい、おはようございます。楓様」
「たまちゃん、かえでおなかへったの」
「わかりました。たまも、頑張って作りますね」
「わーい、たまちゃんのごはん〜!たまちゃんのごはんだいすきだよ!」
「楓様………たまもの料理美味しいですか?」
「うん!おいしいよ!」
「……楓様!大好きですぅ!」
「かえでもだいすきぃ!」

ぎゅーと抱き合って、玉藻は楓のご飯を作り出すのだった。

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