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猫耳いじり

「先輩、朝です…よ……」

パタンと、開かれた扉が閉められた。

「マシュ、助けて」
「無理です。とりあえず、先輩はここから出ちゃ行けませんからね!」

そそくさと朝ご飯を持ってこられ、一人寂しく過ごして、昼ご飯も食べて、ボーッとする。
………何せ暇なのだ。

「楓!今日はわしと茶を飲む約束をしていただろう!何故……!」

あ、のっぶだ。そうだ、今日はのっぶとお茶の飲む約束をしていたけど、こんな状況だから、マシュに断っといてくれと言ったんだ。

「のっぶ、そう言えば、マシュが入るなとか言ってなかった?」
「んー?言われたような気もしたが……まあいいではないか!楓、随分と面妖な姿をしているのだな!」
「あっ、ちょっ耳を摘まむなぁぁあ!」

そう言えば、読者に言っていなかった。今、たった一人のマスターの私、楓は猫耳が生えたのだ。ドクターの話によると1日経てば治るらしい。そのときのドクターの顔が気持ち悪かったと、マシュが言ってたのを思い出す。……あの人、変態だから。

とりあえず、のっぶに断った理由を言って謝る。許す代わりに耳を撫でらせろと言われ、しぶしぶ座る。そして、のっぶは耳を触りだした。

「(…………むずむずする。でもなんかきもちいぃ……)」
「ん?楓?………楓、寝ているのか?」

ふと、時間を見れば、触りだしてから30分は経っていた。
寝ている楓を見て、眠気に誘われた信長は目を瞑った。


二人が起こされたのはその3時間後。
目を覚ました楓は寝惚けていたが、それすら、覚めることになる。

「先輩、信長さん、そこに正座してください」
「はい……」
「何故じゃ!」
「……のっぶ、正座しよう」

そこから、説教が始まった。

「………んー、猫耳は取れたのか……のっぶに問題はなかったし、いいかな……ってあれ?マシュは?」
「ああ、楓ちゃん、マシュと接触禁止だよ!」
「なんでさ」
「マシュに猫耳が生えた」

翌日も聖杯探索に向かうことは叶わなかった。

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