3
数ヵ月後、シガンシナ区南端。
「開門始めーーっ!」
「開門始め!!」
「今日また一歩、我々は前進する!!訓練の成果を見せてくれ!!人類の力を思い知らせてやるのだ!!全員、前進!!」
「なぁ……今からでもいい……誰か……嘘だって言ってくれよ……」
「ああ……嘘みたいな話だ」
「はぁ!!」
「地下にいた人間が壁の外に出るなんてな」
リヴァイはそう言いながら、手綱を引く。だから、私も短編を引く。馬は走り出して……門を出る。その光景に目を開く。
「すっげぇ!!」
「…………凄い」
「ああ、悪くねぇ」
「はぁ……最悪だぜ……壁の外に出ちまうなんて。計画通りなら今頃例のブツを手に入れてずらかってたハズなのに、エルヴィンの奴どこに隠してるんだ……」
「心配するな、巨人は俺がなんとかする」
「私も!」
「いくらお前らでも巨人が相手じゃ……」
「俺を信じないのか?」
「いやそういうわけじゃないが……」
「ケケケ、ファーラン、びびってやんの!」
イザベルが会話の中に入る。イザベルとファーランは私とリヴァイの後ろにいる。
「おい、誰がびびってるって!?」
「任せときなファーラン。巨人なんて俺がチョチョイと始末してやるから」
「お前なぁ……」
「ふざけるなっ!!」
後ろで何か言っている兵士。リヴァイはちゃんと聞いていたようだ。まあ、イザベルが言った言葉を聞いて、地下住民だった私たちへ何か見下したことでも言ったのだと思う。その言葉に激昂した声が聞こえて、「ちっ」とリヴァイが舌打ちをした。目線がお前はそのまま行け、と言われているので、頷いた。リヴァイは手綱を引いて、後ろに行った。で、分隊長も出て来て、リヴァイが配置に戻る。それから少し、馬を走らせた時ぐらいか。
「巨人発見!!」
「左手前方森林の中、15m級!!こちらに向かってきます!!」
「近いな……やり過ごすのは無理か……。やむをえん!!応戦する!!前衛は俺と来い!!本隊はそのまま目的地である補給所は前進せよ!!」
そう言って、森の中に消えた前衛を見送ることなく、左の森から現れた巨人が見えた。
「リヴァイ!」
「大丈夫だ、落ち着けカエデ」
「……うん」
冷静なリヴァイの声、それだけで私は落ち着ける。
「まずいぞ……こいつは――奇行種だ!!」
そう言う分隊長。ソレは一人の団員を掴んで食べる。ソレの動きが止まる。それをチャンスだと項を狙いに行った団員はソレが腕を振った時にワイヤーが引っ掛かってそのまま喰われた。
「なんってぇデカさだ、コイツは」
「20m級、だってさ」
「クソッまた走り出したぞ!!サイラム、俺に続け!!」
「はいっ!!」
ソレと戦いに行こうとした二人にリヴァイが近づく。
「貴様……何のつもりだ!?」
「お前ら巨人は甘くないと言っていたな?だったらナメた戦い方してんじゃねぇ。イザベル、ファーラン、カエデ、行くぞ!!」
「畜生!!こんな目にあうならドブ水すすってた方がマシだったぜ!!」
「ファーランいい加減覚悟を決めな!!」
「要は項を削ぐだけの簡単なシゴトッてね!!」
「ま……待て!!お前ら!!」
「…………」
「さっきの腕振りが厄介だが、その間コイツは足を止めるはずだ」
「クソ……でけぇな……」
「ああ……こんなの倒せるわけねぇ……ねぇけど…………」
「俺が巨人に取り付いて注意を引く。二人がヤツの膝を折って機動力を奪えいいな。カエデは俺がよしと言ったら項を削げ」
「楽勝!!」
「ハイハイっと」
「了解!」
リヴァイが装置でソレの背中に行って、剣を背中に刺す。ブンブンと腕振りをするヤツ。
「今だ、やれ!!」
と合図をすると二人が飛んで行って、同時に膝を折る。
「よし、やれ!」
「うん!」
装置でソレよりも高く飛んで勢いをつけて項を削いだ。
「やっぱスゲェぜ、兄貴もカエデも!!」
「お前らもよくやった」
「へへ」
リヴァイに頭を撫でられる。嬉しい。これが私達の初めての巨人討伐。
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