焔の光 | ナノ
行ってこい、行ってくる


そして、敗戦から4ヶ月。
遂に桐皇と再戦の時がきた。………でも。

「馬鹿じゃないの!馬鹿じゃないの!馬鹿じゃないの!」
「お、落ち着いて………」
「私は言ったわよ!時差考えろって!」
「おい、黒雲………」
「お、遅れてすんませ」
「このバカー!」
「ぐおっ!?」

バスケットボールを顔面キャッチした大我を見て、にやりとする。

「何すんだよ、アネキ!」
「飛行機取る前に、時差を考えろって言ったし、その前から何回も聞いてたじゃない。わかってるでしょ?」
「(あ、これヤバい)」

手をグーにして頭をぐりぐりする。喚く大我にはわからせないとね!

「そのぐらいにして、黒雲さん。火神くん、黒子くんと降旗くんを回収してきて?」
「わかった、です」
「私もついていこうかな。久しぶりに後輩たちを見に行ってやろうじゃないの」
「…………アネキ、なんでそんな上からなんだよ」

という事で、大我についていって、大我が黒子くんと降旗くんを回収。赤司くんに鋏でばっとやられたみたいなところで、赤司くんの目の前に手を出す。

「お久しぶりね、赤司くん」
「………黒雲先輩ですか」
「ええ、随分と私の義弟を自由にしてくれちゃって。このWCでは誠凛が勝つのにね?」
「………何を言っているんですか」

赤司くんの声音が、低くなる。ふふっいいね。挑発だとわかって引っ掛かってくれている。

「聞きなさい、後輩ども!このWC、誠凛が優勝するのは、決定なんだから。覚悟しなさいよ!」

そう言って、キセキの世代から離れた大我の元に向かう。

「アネキ……」
「ふふっ安心しなさい。誠凛も大我も強いんだから、優勝も出来るわ」
「先輩に言われると勇気がでます」
「そう?ありがとう」

バスケ部が集まるところに戻る。救急箱から絆創膏を取り出して、大我に貼る。

「大我、初戦から勝ちなさいよ」
「……おう」

ぐっとグーを突き出す。大我は照れ臭そうにコツンと拳をぶつけた。

「よし、行ってこい。大我!」
「…おう、行ってくる」

[Prev] | [Next]
Back
Contents

×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -