焔の光 | ナノ
雨の中のハイタッチ

雨が降っている。全く、大我も無茶をして……。
選手用の入口の前で傘をさしながら、バスケ部を待つ。

「ああ、やっと出てきた」
「貴方は!?」
「アネキ!?」
「黒雲!?」
「え、黒雲先輩ですか!?」
「………うん、驚きすぎ」

誠凛バスケ部は楽しそうだ。
とりあえず、大我の方に向かう。

「……?」
「まあ……今日は仲間にも助けられたし、これでチャラね」

ベシッとデコピンをする。「いってぇぇえ!」と両手で額を押さえる。

「くそっ何すんだよ、アネキ!」
「膝を酷使した。そうなると、1週間バスケできないんだから。今日の試合、見てたから、説教しようとしたのに、お説教できないし」
「危ねぇ……」
「ん、何か言った?」
「なんでもないです!」
「よろしい。今日は、私の奢り。勿論、バスケ部の皆さんもどうぞ」

水色の髪の男の子から大我を回収する。一回り、いや二回り大きい大我に肩を貸す。あ、そうだ。

「大我」
「なんだよ」
「ほら、頑張ったね」
「……おう!」

パシンとハイタッチ。笑いながら、皆にどこに行くか聞いた。

「近場の食べ物屋さんに……」
「なら、あそこかな?ついて来て」
「え"だめよ!同い年の人に」
「こういうのは、年上につべこべ言わず奢られる!」
「1歳だけだろ……」
「あ、じゃあ、大我の食費は出しますね」
「あ、それはよろしく!」
「カントク!?」

お好み焼きを大量に食べた大我のせいで、バイト代が飛んだ。

「………大我」
「なんだよ、アネキ………」
「すぐに膝を直しなさい。バスケやるの禁止。その後、私と1on1、ふらふらにするまでやらせるんだから」
「げっ」
「黒雲、バスケできる……ってだけじゃないな」
「んー……?バスケ好きでやってるだけなんだけどなぁ」
「………そう言うレベルじゃねぇだろ、アネキは」
「はいはい、私になんかいうことは?」
「………ご馳走でした」
「それでよし!じゃあ、私達はここで」
「ええ」

大我が歩けるみたいだしお店から出る。

「………ん?なんで、火神と黒雲、一緒に帰ってんの?」
「……しかも、火神がアネキって…………」

店内で絶叫が響いた気がした。

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