ネタ供養と名前変換なし(小説) | ナノ
ゲームオタクの転生

軽率にデジモンがスタンド化。

目を覚ますと視界がぼやけていた。目を圧迫しすぎたのだろうか、いや、仰向けで寝てるし、腕を目の上に置いて……腕、短くなってる。というか、ベビーベッドじゃないかな、このベッド。冷静になろう私。キョロキョロと周りを見渡したら卵があった。……すごい、デジタマ模様をしてます。これは暗黒種族かな。なんて思いながら、またキョロキョロ。と思ってたら、腕が伸びてきて固まった。

どうやら私は転生したらしい。黒雲楓という名で。私があーとかうーとか話せるようになった頃、デジタマ(擬き)が割れた。現れたのはムンモンでした。デジモンだよ!!!私の心から愛しているデジモンだよ!そうだ、私は転生する前、デジモンの新作を手に持っていた。ムンモンに触ろうとしたら、お母さんがそこに何かあるの?と聞いてきた。待って、そこにいるじゃないですかムンモン!あー、うー、としか出ない声は不便だ。

幼稚園に入った私は孤立した。だって、みんなムンモンが見えないらしい。私にしか見えない、と知ったのは、ムンモンと遊んでいたときだ。どうやらこのムンモンも、以前は他のデジモンとして、テイマーと共に行動していたらしいが、強大な敵に敗れ、デリートされたはずだったらしい。そのせいか以前の記憶が曖昧らしい。

親からは霊感の強い子と言われるので、次第に部屋に籠るようになっていた。小学生に上がる頃、ムンモンはルナモンに進化した。二人で大喜びをした。この時代はまだフ〇ミコンしかなくて、ドラ〇エを進めた。お気の毒ですが、の言葉を何度見たことか。あれは嫌な思い出だ。

中学生になってレキスモンに進化したライト(ニックネーム)とお喋りしながら、校舎裏で小説を読む。中学に来て、ぼっち脱出は諦めた。

こっちに構えと来るライトに座るスペースを作って空を見る。デジタルワールドを探したいが、この時代、パソコンなんて(私が生きた時代よりも)高価で一般市民が手の届くものではなく。

「あと、10年は待っててね。知識もつける。デジタルワールドに行くんだもの」

きっと立派なディアナモンに進化させて、デジタルワールドで過ごす。こちらよりもきっと、あっちの方が友達が作れそうだ。

「ね、ねえ!君!」
「?はい」

突然声を掛けられて、顔を上げた。一人言だと思われているのだろうか。いや、それなら、話しかけることはないだろう。

「隣にいるのは君の友達かい?」
「えっ」

思わず隣を見る。うん、ライトがいる。反対側には勿論何もない。

「見えるの?」
「うん、僕にもいるんだ」

見せられたそれは緑の蛍光色で、なんとなくメロンを連想させる。

「ぼ、僕と、友達になってくれませんか!」
「うん、喜んで」
「僕は花京院典明」
「私は黒雲楓。こっちが、ライト」
「よろしく、ノリアキ」
「楓ちゃんのは、いや、ライトは話せるんだ。凄いな。僕も名前、つけようかな」

そう言って、この世界で出来た初めての人間の友達、典明くんとかなり長い時間遊んだ。でも、進学先が分かれ、先生には心配される始末。小学校が違うため、家も離れていて、文通でもしようと、決めて、中学を卒業。

高2の夏休み、エジプト旅行に行くという旨の便りが来て、それ以降、送られてくる手紙はない。

旅行で何か思うことがあったのかもしれない、と割りきって、クレシェモンに進化したライトは、綺麗でかっこいい。

秋、女子特有の月一のものにあたり、今回はあまりにも酷すぎたのか、同級生が顔色悪いよ、と言ってくるレベルだったらしい保健室に行くことを薦められ、ライトにも同じく薦められたので、保健室に向かうことにする。保健室の先生が迎えてくれて、とりあえず寝る。すぐに意識は落ちた。

ガチャンやらドォンやら暴れる音で目を覚ました。ベッドを仕切るカーテンをこっそり開くときらきらと光る緑色の鉱石。そこから連想させる人を思い出すが、今、私は最高に体調が悪い。結局ずるずるとカーテンから離れ、お腹を押さえる。困り顔のライトに口パクでごめんと言って、布団に潜り込んだ。

音が止んで、しゃっとカーテンが開かれる。

「……おい」
「喧嘩は、保健室以外で、お願いします」

空条くん、と言うとライトが労うように腰を撫でる。

「お前も来い」
「え、何を」
「そいつについて聞きたいことがある」
「ライトについて……?」

話は確かに聞きたい。でも、この体調不良ではどうしようもない。

「エメラルド・スプラッシュが当たったか?」
「いえ、違います。ただの体調不良なので」

不良の空条くんと話してる。なんでなの。というか脇に抱えているのって典明くんですよね。どういう事態で。というか、生きてるよね、生きてるよね???

「先公が来る。行くぜ」
「えっなっ」

と強制的に連れられた空条くんのお家は立派なヤのつく御家の総本山みたいでした。迎えられた空条くんのお母さん(こんなお母さんから空条くんが生まれたなんて思いたくない)にこっそり薬を頂けるか聞いて、それを飲んで一眠り。薬を飲めばなんとかなるよ!……多分。

寝るというよりかは意識を飛ばして、目を覚ませば木目。落ち着け、思い出せ。……ああ、空条くんのお家にお邪魔しているんだった。人のお家で勝手に動き回るのはよろしくないので、大人しく部屋にいることにする。

「ライト」
「カエデ。調子は?」
「随分ましになったよ。薬のお蔭」

何かを忘れている気がするけど、仕方ない。布団を伸ばしてライトに手伝ってもらって畳む。襖を開けて、場所を確認するけど、庭がある。立派な空条くんのお家で、困って、部屋に戻る。まだ、おやつ時だと思う。

「あら、目を覚ましたのね、大丈夫?」
「はい、お薬もいただいて、ありがとうございます。空条くんのお母さん」
「いいのよ、いいのよ!それよりその呼び方、堅苦しいわ!聖子って呼んで?」
「聖子さん、ありがとうございます……。それで、私は?」
「そうだったわ!パパと承太郎に呼ばれているのだったわ!ついてきてちょうだい」
「……?わかりました」

聖子さんのお父さん、ということは空条くんのお祖父さんというところ。どうして、呼ばれているのか、と思って、ライトと顔を見合わせた。

「パパ、つれてきてあげたわよ!」
「おお、助かった!」
「えっと、はじめまして」

着いた先はリビングだと思う。空条くんがいて、空条と同じ目の色をしたお祖父さんがいて、褐色の肌をした如何にもアラブ系の人がいて。

「Mr.Joestar, who is this?」
「え、英語……」
「なんだ、話せないのか」
「話せるような人は日本人には少ないと思うよ……。まだ、私は一般生活ぐらいかな。My name is……」

どうやら、褐色のアラブ人はアヴドゥルというらしい。空条くんのお祖父さんとも自己紹介をしあって、席を座るよう促される。

「黒雲くんはこれが見えるんじゃな?」
「これ、とは……紫の棘ですか……?」
「ああ、そうじゃ。君の後ろにいるものと同じだ」
「無機物と一緒にされたくないと思うが……」
「自我があるタイプのスタンドか……」
「スタンド?」

デジモンじゃないのか、という言葉は飲み込んだ。ライトと顔を見合わせる。パッと思いつくものはなかった。

「その様子じゃ、何も知らないのか……。スタンドというものは」

精神のヴィジョンだと言う。自我のあるスタンドだけど、私の精神力で云々。なるほど、精神の成長で、スタンドは成長する。ただ、ライトの場合は、私の成長と同じく、進化していくのだろう。

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