ネタ供養と名前変換なし(小説) | ナノ
静謐のハサンを召喚した毒耐性がある子の話

「いやだ、いたい、いたい」
「黙れ、お前がこれに耐えれば」
「いやだ、もうこないで、だれかたすけて!」

突然光出し、現れた陣と、現れたその褐色が鮮やかに研究員を殺していく。幼い頃の私はありがとう、と言って、彼女に触れようとする。

「あ……だめ、です。触っては」
「え?」

触れられることに躊躇う彼女に容赦なく抱きついた私に、彼女は離そうとする。

「だめです。毒が」
「どく?わたし、どくのたいせいがあるから、だいじょうぶ。たすけてくれてありがとう。あなたは?」
「ハサン・ザッバーハ。貴方の助けて欲しいという声に」
「ありがとう。わたしはカエデ。じっけんされて、こわかった。ねえ、いっしょにいてくれる?」
「貴方がいいと言うのであれば」
「ハサン、じゃあ、いこ。ここからにげるの」
「はい……わかりました。触れても、いいのでしょうか」
「うん」
「カエデ、私は貴方と共に」

「カエデ、起きてください。学校……ですよ」
「……うん。おはよう」
「おはようございます」

懐かしい夢を見た。そう思いながら、ちゅっとハサンにキスをする。朝の挨拶だ。あれから、ボンゴレファミリー9代目直属の部隊の人に保護され、霊体化して姿が見えなくなったハサンを探したり、念話して元気が出たり、検査をして、日常生活では問題がないらしいので、平和な日本に来た、という感じだ。生活費は助けてくれた人達がお金を流してくれているらしいのと、9代目からの支援金だ。

「カエデ、好きですよ」
「私も大好き。学校、卒業したら、二人だけで過ごしたいね」
「きっと、幸せです。触れる恐怖もなく、愛する貴方様と過ごすなんて」

ハサンと触れていると、毒が私に染み込んでいくのを感じる。いや、全然苦しくなんかない。むしろ、心地いい。

「……行きたくないなあ」
「もう少しの……辛抱です。大丈夫、私も傍に」
「うん、そうだね。行こうか」

学校に向かいながら、左中指に嵌めている指輪を見る。私は毒の耐性があるのではなく、ハサンのような毒の体に近い。ただ、私は毒を自己生成できない。ハサンと触れるほど、毒は蓄積する。其れを体外から放出するのを抑える代物らしい。

「やあ」
「こんにちは……」


[Prev] | [Next]
Contents
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -