ネタ供養と名前変換なし(小説) | ナノ
葡萄色の夕焼けが貴方の髪を染めていく

グランサイファーの甲板に一人佇むサンダルフォンに駆け寄る。
「カエデ」
「何を、見ているの」
「夕焼けというものは、こんなにも綺麗なのだな」
「サンダルフォンの目の色と同じ赤だね」
「!」
息を飲んでこちらを見るサンダルフォン。どうしてこちらを見ているのかわからず、首を傾げる。すると、サンダルフォンは目を開いて口を開く。
「それは、無自覚か……!そういうところだぞ、カエデ」
「え、なにが?」
サンダルフォンの目を見ながら首を傾げる。……ああ、サンダルフォンの茶髪を、夕闇と夕焼けを混ぜた葡萄色が染めていく。

きれいだなあ

「!」
大きく目を見開いたサンダルフォンの頬が朱に染まっていく。
「この無自覚ド天然!他のやつにそんなことを言っていないだろうな!?」
「そんなことって……サンダルフォンだけだよ?」
「ああ、そうか!他のやつにはそんな口の訊き方をするなよ!俺は部屋に戻る!」
「えっちょっと待って、サンダルフォン!一緒に晩ごはん食べに行こうよ。……ダメ?」
「…………はあ。全く君は」
そう言って、歩いていってしまうサンダルフォン。サンダルフォンにとって、否、天司にとって、食事は必要ないもので、嗜好品のようなものになる。私にとっても必要ではない、というのはわかっていても、仲間と食事をするという行為は楽しいし、美味しいものを食べると嬉しいから、食事を摂ることは欠かせない。
船に入ろうとしたサンダルフォンが振り返る。
「どうした、食事をしに行くんじゃなかったのか?」
「うん、行く!」
サンダルフォンの元に駆け寄り、横を確保する。
「ローアインのご飯美味しいんだよ、サンダルフォンもきっと気に入るから」
「……そうか」
「きっとみんなびっくりするかもね」
「だろうな。少しでも嫌がられたら俺は戻るからな」
「大丈夫、みんな驚きはするけど、サンダルフォンを受け入れてくれるよ」
「だったらいいがな」
食堂に辿り着いて、扉を開ける。ジータが料理を運んでいて、こちらを見て、嬉しそうに笑う。カエデも手伝って、と言われて、サンダルフォンに好きな場所に座って、と言って、キッチンの方に顔を出した。
テーブルに戻ると、大勢に囲まれて困惑しているサンダルフォンを見つける。俺は、あの、と言っているサンダルフォンと目が合う。
「ほら、大丈夫だったでしょ、サンダルフォン!」
貴方がやったことは赦されることじゃないけれど、それでも、ずっと悩んでいた貴方が少しでも晴れやかになれますように。


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