ネタ供養と名前変換なし(小説) | ナノ
炎は燃え尽きない

ヴァリアーに拾われて色々。なんか色々クロスオーバー。


4才〜
旅行先で強盗に捕まり、両親が殺されたことで、スタンドが発現。強盗を《吼え立てよ、我が憤怒》で串刺しにし、戸惑っているところ、XANXUSに見つかり、興味を持たれ、そのまま拾(拐)われる。

その後、“揺りかご”が起こるまで、ヴァリアーに在籍(入隊はしていない)。裏社会に関しての英才教育を受けていた。

6才〜
“揺りかご”以降、ヴァリアーから引き剥がされ、要観察対象として保護される。九代目の恩情によりヴァリアーはまだ無くなっていないと知るが、裏社会から足を洗わされ、一般人の生活に戻る。

13才〜
並中に入学、図書委員の職権濫用で、各国の言語の小説を揃える。放課後、翻訳に熱中して下校時間を大幅に過ぎた頃に見回り中の雲雀に見つかり、声を掛けられ、そこから何かと気にかけられるようになる。

ヴァリアーにいたということや、教えられたことは記憶にあるが、かなり朧気。スタンドも以降、現れることがないので、本当の記憶ではないのでは、とは思うが、串刺しにした記憶は鮮明に覚えているので、錯乱しないように思い出さないようにしている。



「………………えーと」

目を覚ますと、機内だった。現状の飲み込みが出来ない。おかしい。確か、本を読んでいたら、窓が割れて、それから、…………それから?

お"ぉ"い、目が覚めたか、カエデ」
「スク、アーロ」

この印象的な声を、しっかり思い出した。覚えているときよりもずっと髪が長い。

「ここは、どこ」
「機内だ。眠り姫は離陸のときですら、起きなかったがなぁ!」

外を見ると、夜だった。離陸して、そんなに経っていないらしい。

「眠り姫って、スクアーロが気絶させたんでしょ……」

話しているうちに、思い出す。窓を割ったスクアーロが首裏に手刀を入れてきたのだ。

「でも、どうして」
「自分の頭で考えろぉ」

俺は寝る。そう言って、離れた場所のシートに横になるスクアーロを見る。

今更、スクアーロが私を拐った理由、理由。確か、ヴァリアーから連れて出される前、幹部、総出で、置いていかれて。それから。

アジトに戻ってきたのは、一人、少なくて。……名前が思い出せない、幹部の一人が、私を、九代目に。

ぐるぐると考えている間に、気づけばイタリアに着いていた。

「懐かしい」

石畳、日本とは違う明るい色で作られた建物、電柱は無くて、日本語がない。

流れていく景色を見ていると、変わる。ヴァリアーの敷地だ。森に入った車は少し揺れる。出るぞ、とスクアーロに言われて、歩く。歩くじゃないか、移動する。木々の枝に飛び乗る。ヴァリアーにいた頃は、追いかけっこと称してベルと遊んでいたのに、日本に戻ってからは随分とご無沙汰だった。

「まっ、待って」

忘れないで欲しい。ヴァリアーに、2年間いたとしても、8年前のことで、日本に戻ってからはインドアだったのだ。つまり、体力が、ない。

お"ぉ"い!!!おせぇぞぉ!」
「ごめん、なさい。全然、鍛えてなくて」

大きな舌打ちが聞こえて、びくりと身体が跳ねる。そう言えば、ヴァリアーとは、暗殺部隊で、弱いものは殺されて当然なのだ。足手まといはいらない。

「えっ」
「喋るんじゃねぇぞぉ、舌を噛むからなぁ!!」

口を閉ざす。俵担ぎをされて、ヒュンヒュンと景色がまた流れる。着地したスクアーロが私を降ろす。振り返ると、大きな屋敷があった。つまりここが。

「ヴァリアーのアジト」
「そうだぁ、入るぞ」

スクアーロの後ろ姿を見ながら、また考える。一般人に戻った私を、ヴァリアーにとっては足手まといなのにどうして連れ戻したのか、きっと役立たずと、いずれ殺されるのだろう。といっても、歩く足を翻してここから逃げるにしては、遅すぎた。逃げるなら、飛行機で、死ぬこと覚悟で飛び降りるしかない。八方塞がり、私の人生は、もう終わるのだ。

「入るぞぉ!!XANXUSゥ!!!」

ガチャリと精巧な作りの扉を開けて入っていく。私の足が止まる。今、スクアーロはなんと、言ったのか。ノックも無しで、入ると、いや、スクアーロなら、よくする。よくした気がする。いや違う、その次の言葉だ。XANXUSと、XANXUSとそう言った。8年前、帰ってくることのなかった、

「入らねぇかカエデェ!」
「あ、ごめんなさ」

スクアーロに手を引かれるがまま、その部屋に入る。会議室、らしい。大きなロボット以外、私は知っている。謝罪の言葉が止まったのは、紅い目が私を射抜いたからだ。

出逢ったときも、こんな風だった。逃げなければいけないのに、怖くて動けない時に、紅い目が私を射抜いて、「お前がやったのか」と聞いたのだ。今は、言われる言葉が違うのだろう。なんと、言われるだろう。失望だろうか、無関心だろうか。

「カエデ、こっちに来い」
「はい」

拒否権は元からないのは、知っている。そうだ、裏社会で生活し始めるということは、いつでも死の危険があるということなのだ。

前に立つ。あの頃は見上げるばかりだったのに、座っているからだけども、視線を下げると、目が合う。紅い目。

「でかくなったな」
「8年間、のうのうと生きてたから……、ごめんなさい」
「なぜ謝る」
「だって、日本に行ってから、私は一度も“力”を使えなくて、使わなくて、それで、鍛えてもいなくて」
「………………スクアーロ」

手首を掴まれる。冷えすぎてはいない。少し、低温みたいだ。

「なんだぁ?」
「監視はいたか」
「そりゃな。まあ、一匹だけだったが」
「だ、そうだ。お前が殺されなかったのは、ヴァリアーの飼うための人質だったらしい。力も封じられているんだろう。解いてやる」

掴まれていた手首を引かれて、もう一方の片手の指を額に当てる。身体の力が抜けて、意識が途絶えた。



膝を折って倒れていくカエデをXANXUSは片手で受け止める。

「おい、屋敷から出しておけ」

XANXUSの言葉に逆らうわけにはいかず、屋敷から出され、庭に眠っているカエデを幹部は窓から見る。

「随分と成長したな」
「変な目で見んなよ変態」
「なんだと……!」
「XANXUS、何でカエデを外に出したぁ」
「無理矢理押し込めて封じていたものを解き放ったらどうなる。……そういうことだ」

カエデの身体が一度跳ねる。始まる、と誰もが思った。

ゆらりと炎が広がっていく。草木は燃え尽きず、神秘的だ。不自然に木が揺れる。

「ボス、侵入者だよ」
「放っておけ、カエデの贄だ」

侵入者は森を抜け、屋敷に入るために、地に足を付けるそのとき、草木を燃やすことなく存在した炎が、業火となって侵入者を焼き尽くす。極めつけに、地から槍が噴出し、侵入者を串刺しにした。侵入者の断末魔が響き、それが収まると炎も収まっていった。

「盛大にやったね」
「コントロール出来るようになれば、ボスの力になれるだろう」
「…………部屋に入れておけ」

XANXUSが会議室から出て行った。



懐かしい夢を見ていた気がする。

「あ、起きた?」
「…………ベル?」

目が隠れている金髪に、ティアラ。私が知っているときよりも、当然成長しているけれど。

「久しぶり、調子はどう?」
「…………良好、かな。何か、身体が軽い気がする」
「それなら、もう大丈夫だな。飯、行こうぜ」

外を見ると、既に暗かった。ベルに頷いて、ベッドから降りる。アジトである屋敷の廊下を歩いて、並べられた食事を見る。カエデはこっち、とベルの隣を指される。頷きながら、思い返す。心の中でいただきます、と呟いて、今から始まる惨劇をどうやって、回避しようかと考えながら、サラダを食べた。

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