「んっ…あっ…やめっ…」

「だいぶ良い顔になってきたじゃん」

確実に体がおかしくなってきている。
さっきまで痛かった頭の傷とか、ケツの違和感は完全に消えた。その代わりドクンドクンと拍動は激しさを増し、体は次第に熱を持ち始めている。身体中が性感帯になったみたいだ。触れられる度に嫌でもピクンと反応してしまう。

「あぁっ!ち、ちくびっ…吸うなっ、んぁっ…」

男は腰を動かしながら俺の乳首に吸い付いた。さっきまでのとは比べ物にならない衝撃が走り、快感で体が弓なりに仰け反った。これではまるで自分から舐められに行ってるみたいだ。頭では分かっているのに反応する体は抑えることができない。

「すげぇ…。別人みたい」

横で見ていたオレンジ頭が喉を鳴らしながら呟いた。
「見られてる」
その視線さえも今の俺にとっては興奮材料にしかならない。

「あ、あっ…やっ…んんっ…」

「ははっ!こいつ見られて興奮してる。ケツの締まりが良くなった」

もう男が何を言ってるのかも理解できなくなってきた。ゲラゲラ笑ってる目の前の顔を虚ろな目で見つめ返せば、いきなり顔を殴られた。口の中に鉄の味が広がる。しかしもう睨む気力も口答えする気力も無くなっていた。
それどころかこの熱を少しでも発散させたくて、拘束されている手を自分の硬くなった中心に伸ばした。

「あ、あ、ふっ…んっ…」

「うわ、殴られながらシコってる。気持ち良さそうだねぇ。でもそうはさせねーよ」

「あぁっ!いやっ…離せっ…イきたっ…!イかせてっ!」

「お前がイクのは俺をイかせてからだよ」

自分のものを触っていた手は男によって阻止されてしまった。首を振りながら「いやいや」と、駄々をこねる子供みたいに泣きじゃくる。
冷静になって振り返った俺は多分自殺すると思う。でも今は自分のことを客観的になんか見れないし、そんなことを考える余裕もない。ただイクことだけを考えていた。

「あー…いいよ。そろそろイキそう」

「あっ!ひぃ!はげしっ…あっ…!んんっ、あぁっ!」

男はラストスパートと言わんばかりのスピードで腰を動かした。激しく揺さぶられ、目の焦点が合わなくなる。
そして男がパンっと腰を押し込んだ瞬間、腹の中に熱いものがじわーっと広がった。

「あっ…んんっ…あつい…」

「はぁー…最高…」

俺の中で射精した男は、数回緩く抜き差しをしてから萎えたそれを取り出した。同時にグチュっと中の精液が出てくる。そんなことお構いなしに俺は自分の内ももを性器に擦り合わせた。

「約束通りイかせてやるよ」

やっとイける。
期待で呼吸がだんだん早くなる。
すると男は俺の硬くなったものを勢い良く握った。急な刺激に俺の腰はビクンと痙攣する。そしてそのまま男は上下に激しく擦りはじめた。

「あっ!んぁっ!んっ…きもちいっ、あ、あぁっ!」

「これ完全にキマってんなぁ」

「あぁっ…れ、い…れい!…きもちっ!あっ…」

「…あ?『れい』って誰だよ。よくこの状況で他の男の名前出せたなぁ?」

「あぁ!いやっ!とめんなっ!イキた……ッ!」

「おい、ムカつくからお前、このまま挿れていいよ」

「まじっすか!じゃ、遠慮なく」

快感に身を任せていると、無意識のうちに玲の名前を出していた。俺が他の男の名前を出したのが気に食わなかったのか、男は動かしていた手を止めて俺の顔を殴った。そしてオレンジ頭となにか話し始めたかと思いきや、今度はオレンジ頭が俺の足を抱えた。もう抵抗する力は残っていない。
…今度はこいつの相手をするのか。
絶望の中に僅かな期待がそこにはあった。
おかしくなってしまった自分に笑いが込み上げてくる。もう自暴自棄だ。
俺が男のものを迎え入れるために力を抜いたときだった。


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