雪にはしゃいで運動会


卒業式まで残り約一ヶ月。三送会の準備が思ったより進んでなくて休日に学校に行くことになった。

寒い。一面白景色だ。冬の景色らしくなってきた。真っ白で外に出る天気ではない。雪は一度遊び始めたら楽しいかもしれないがそこに行くまでが大変なんだ。まず言い訳をたくさん作る。寒い、冷たい、寒い、風邪引く、寒い、と。遊ぶ以前に外に出るまでも大変。だが家から出て学校に行かないと。
制服にタイツにマフラーとコートを身につけて手袋をする。一年履いて足の形に馴染んできたローファーを履いて外にようやく出た。息が白かった。もぞもぞとマフラーを上にあげて鼻のあたりまで覆う。


「エアコン入れよ……」


学校いったら絶対にあったまるんだ。何が悲しくて休日に学校に行って一人で過ごさないといけないんだ。














「……何やってるの?」


休日の学校でも部活動生には関係ない。体育館からは賑やかな声がするし校舎からは音色が聞こえるし外部活のサッカー部や陸上部は雪かきをしてフィールドの整備をしている。ちらほら人はいる。予想はしていた。

だけどこの人たちがいることは全く予想できてなかった。


「何やってるの?」

「雪合戦だぞ」

「学校で?」

「学校で」


雪玉と塹壕を作っている少年と青年。へえ、とリボーンの横にしゃがむ。二チームに分かれて遊ぶんだって。リボーンは武将のコスプレをしている。審判らしい。
せっせと雪玉と塹壕作り班に分かれる両チーム。


「紗夜ーー!! ランボさんと遊びに来たのかぁ?」

「違うよ。ごめんね」

「じゃあランボさんが遊んでやる!!」


私を見つけたランボが走って飛んできた。飛び込んできたので受け止めた。寒そう。いつもの格好に赤いマフラーのみ。だがランボは寒さを感じないようにきゃっきゃっはしゃいでいる。子どもは風の子というからかな。体温も高いし。羨ましい。


「ぐぴゃっ!!」

「やることねぇなら雪玉でも作ってろ!!」


今は対戦準備時間だったらしい。ランボとおそろいの赤いマフラーをつけた獄寺くんがランボを私から取り上げて自身のチームの方向へぶん投げる。誰も受け止めてあげなかった。


「……さすがに投げるのはないんじゃない?」


たとえ雪のクッションがあるとしても投げるのはない。相手子どもだよ。大人ならしてはいいというわけではないが、相手私たちより一回り小さい子どもなんだよ。泣いちゃうじゃん。


「……うっせーな。なんでいンだよ」

「生徒会の用事」

「今日休みなの知ってるか?」

「知ってるよ」


じゃあね、と手を振ると獄寺くんも赤いマフラーの軍団に混ざっていった。残りのチームメンバーは笹川先輩とディーノさん。相手が綱吉に山本くんにイーピンにフゥ太くん。何人か手を振ってきたので振り返す。
雪遊びか……楽しそうだな。わいわいと準備する両チーム。それなのに私はこれから生徒会の仕事。この差は何かな。生徒会長かそうじゃないかの違いだろうか。……帰ろっかな。悲しくなってきた。これから毎日放課後残ればどうにか終わるだろう。ただ提出日の締切が明日なのが一つあるけれど。それだけしたら帰ろう。遊んでいる子たち見たら悲しくなってきた。


「やってけばいいじゃないか」

「やだよ。手冷たくなるし運動神経の化け物たちに混ざったら集中砲火されそうだし」

「そんなことするやつ誰もいないぞ」


立ち上がるとリボーンは私がいなくなるということを早々に理解した。
野球少年ボクシング少年、拳法家にマフィア出身二人。ランボ合わせたら三人だけどランボはほら、ね、ランボとなら雪合戦しても安全だし。私は今ここで雪合戦しているメンバーと遊べと言われたら綱吉とランボとフゥ太くん以外は相手したくない。

はあ、と白い息を吐く。学校に行くからと制服を着てきた私と違ってみんな私服だ。それに生徒ではない部外者四名もいる。リボーン合わせたら五名だ。


「見てけ紗夜。お前のファミリーとなる奴らの強さを」

「ファミリーにはならないよ。それにちょっと締め切りがギリギリな案件があるからごめんね」

「終わったらあいつら全員を貸す」

「見てく」


一人でやるには少し大変な仕事だったんだよ。アイデアが欲しくてさ。8人もいれば簡単に集まるよね。
よいしょとリボーンの横に腰をつける。よく見るとリボーンは甲冑を身につけているだけで他に何もつけてない。マフラーか手袋いるか尋ねたら大丈夫とのこと。


「そろそろボンゴレに入ろうと思うようになっただろ?」

「なる日は来ないですね」


準備が終わったらしくスタートの合図が降りた。特殊ルールで今回の勝負は30分後に真ん中にあるリボーンのペットのレオンを持っているチームの勝ち。一度奪われても奪えば勝ちとなるということだ。
予想していた通り始まれば主力となるのは運動部。山本くんと笹川先輩の勝負であった。山本くんのボールを投げる動作は全て本気になってしまう体質の雪玉をストレートで打ち砕く笹川先輩。野球部エースとボクシング部エースの直接対決だ。


「山本も了平もすごいだろ? 紗夜を守ってくれるぞ」

「本当だ」

「山本は紗夜を命をかけて守ってくれるぞ。フゥ太のランキングで山本の命をかけて守りたいランキングの一位は紗夜だと出てる」

「それ二位が蟻で三位が蚊だね」

「了平は面倒見がいいんだ。京子への態度を見てればわかるだろ?」

「京子ちゃんにだけね。その他はそうじゃないよ。会議中に乗り込んできたりする問題児だよ」


おおっと! 笹川選手、山本選手の援護として飛んできた沢田選手とフゥ太選手の雪玉を物ともせずに自慢のパンチで砕きます! 今一番レオンに近いのは笹川選手です!! すごいすごい!! 笹川選手一人で勝てそうです! これは赤の勝ちかあ!? そこに白チーム、イーピン選手が飛び出したあああ!!! ディーノ選手はなぜか彼方後ろに雪玉を投げました!! よくわかりません。イーピン選手の相手は…………獄寺選手だァァ!!! ダイナマイト使いのマフィアvs.拳法家!! これは見ものです!!


「獄寺だって紗夜には怒鳴らないよな」

「いやーーそんなことないよ。綱吉が関わると怒られるよ。この前もビアンキさんが義姉と知った時気を遣ったらやめろと怒られた」

「怒られても怒鳴られないだろ? それにバレンタインデーにバラをもらってたじゃないか」

「ん? もらってないよ」


そんなこんなで笹川選手勝負に出たああァァ!! レオンまで後一歩、そんな時に裏切り者によって粛清!! なんとっ! 獄寺選手が赤チームにいたのはスパイだったからだそうです! 白に寝返られディーノ選手、孤立無援かあ!? と思いきや!! 部下の皆さんが味方につきました! そういえば赤チームの最後の一人、ランボ選手はどうした!? ね、寝てたーー!!
赤vs.白からボンゴレvs.キャバッローネになりました!! 面白くなってきました!
獄寺選手ダイナマイトをぶん投げぇーーーたダイナマイトはディーノ選手の華麗な鞭捌きで全て不発に終わりました!! 沢田選手上手いことを言う! そうです! これは雪玉合戦じゃなくて雪上の合戦です!! ディーノ選手雪玉を掴み火を消すだけでなくイーピン選手まで倒しました!! マフィアのボス、ディーノ選手すごいすごい!! これは世界中の女子惚れます!!


「ツナは……今のところ何もアピールできてねえじゃねえか」

「やっばいね」

「あのヘタレが……」

「かっこいいディーノさん」


おおぉっと!! ここで第三勢力が!! ビアンキ選手登場です!! イーピン選手ランボ選手という下僕をつれて毒牛中華飯というチームを作ったああ!!


いったいどうなるのか!? 続きはCM後!!