テストが終わった。

俺はその直後のクラスの雰囲気が嫌いだ。



「やっと終わったー!!」とかとにかく馬鹿騒ぎするやつらとか
「今回ダメだったわあー」とかいってそこそこできてる女子達とか
「この後打ち上げなー」とか無意味な集まりに誘ってくるやつとか



終わったっちゅーのにみんなほんまよー騒ぐ。


とにかく俺はそんな場でやってられず屋上に来た。
流石にテストばっくれてる奴とか、俺みたく速攻で屋上来るやつなんておらへんやろなと思っていた












…いた。





しかもそれは、会いたくても会えへんかったあの人やった。






「なまえ…先輩?」





部活がなかったこの一週間、学年の違う俺らに鉢合う機会なんてちょっともあらへんかった。



久しぶりの好きな人の顔。
ましてや寝顔なんて今の俺には刺激が強すぎる訳で、






「…なまえ先輩、起きんと風邪引きますよー」






起こすほかなかった。



本当はこのまま押し倒してしまいたかったけど、なまえ先輩の子供みたいに綺麗な寝顔が俺には視界の暴力すぎてどうしても無理だった。






「なまえ先輩ー、起きなあかんすよ」





「ん…え…ざい、ぜんくん?」






寝起き独特の掠れた声で俺の名を呼ぶのには正直どきっとした。
駄目や、先輩相手だとどうしても俺を保てへん。




「…なんでこんなとこで寝てはるんすか。」



「んー…多分昨日の一夜漬けが原因かなあ…うん」






「はあ…なまえ先輩頭いいんとちゃいますか?」






「えー?全然だよー!もしかして私、頭良さそうに見える?」





「まあそう言われたらアホにも見えますわ」





「うわ、ちょっと傷ついた。…あ、そういえば財前くんはなんでここにいるの?」





「…まあ、なんとなくっすわ」




「えー、そうなの?」






そんなたわいもない会話の途中でなまえ先輩は何故か凄く嬉しそうな顔をした。






「…なんかええことでもあったんすか」





「え、いや、その…。なんか久しぶりに財前くんと喋れて嬉しくて!」



そういって今日一番であろう笑顔を俺に向けた。









先輩はずるいっすわ。



先輩、今の言葉俺だから言ったんすか。






「せんぱっ…」




俺が1人で悶々としている間に先輩はまた微睡んでいた。
全く無防備にも程があるっちゅーねん。
でもなんだかそんな先輩の幸せそうな顔を見てると全てがどうでもよくなった。


…俺、相当重症やな。






まだ、春といっても寒い。

だからなまえ先輩が寝過ごして風邪引かんように俺が見張っとかんと。
なんて誰もいないのに言い訳考えて先輩の隣に座ってやる。

そんでキスしてやる。

先輩が無防備で可愛えのがいけないんすから。





まどろみでキス




(光ぅー!こんなところにいたのね!…って寝てる)
(なまえと一緒やないかい!2人して風邪引くでー)
(なんか2人ともカワイイわねえ!ロックオ(浮気か!!)



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3月の始めの設定。
ヒロインちゃんが二年で財前くんが一年のときです、多分。










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