俺にはめっちゃ可愛い彼女がおる。
今、隣におるなまえや。


なまえはちっこくて小動物みたいな奴や。
そんな身体で俺にくっついてくる姿なんてもう今すぐにでも抱きしめたくなるほどの可愛さやねん!




「謙也くん、あれって小春くんとユウジくんかなあ?」





そんななまえが窓の外を指差しながら言った。





「ほんまや…なんであいつら校庭のど真ん中でいちゃついとんねん」





「あはは、面白いねあの2人って。
…あ!あっちにいるのは千歳くんじゃない?」





なまえは無邪気な笑顔であいつらの話をする。
俺は心が痛んだ。


せっかく俺とおるんやからわざわざあいつら見つけて話すことなんてないやん。
なまえは俺だけ見てくれればええねん!

なんていうしょーもない嫉妬をする自分がなんて余裕のない男なんや、と少し嫌になった。


せやけどしゃーないやん!
誰がなんと言おうと俺が彼氏なんやから。





「…なまえは人探すの得意なん?」





「え、そうなの…かなあ?」






こちらを見てきょとんとするなまえ。
首を少し傾けるそんなありきたりな仕草でもなまえがやるとほんまに可愛い。


なんて思ってると今度はうーん、と考え込んでいた。


考えているときのなまえは大抵そのさらさらなセミロングの髪の毛を優しく撫でるような仕草をする。

それがいかにも女の子っちゅー感じがしてどきっとする…って、
なんやほんまに俺ばっかりなまえのこと見とるやん!!


所詮俺ばっかりなまえのこと想っとるんやろなあ…





「あ、もしかして…!」






そういうとまた俺の方に向き返ったなまえは、少しはにかみながらこう言うた。






「いつも部活してる謙也くんのこと見てるからかもしれないね!」



「…?!」








今、何て言うた…?






なまえが・・・俺を見ている?!







「そ、れ…ほんまか!!」




「え、うん!(謙也くん、かっこいいから他の女の子には見せたくないけど…)」







君は僕を見ていてくれた。

だけど君の無意識な仕草まで見ている僕は、やっぱり君より想ってる。






(今日からほんまに部活頑張ろう!なまえー、ちゃんと見とれよ!…そのうち俺しか見れへんようにしてやるで)










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