※結婚記念日ネタ











「春だね…」










俺らが籍をいれてから丁度一年。





大学卒業と同時にプロポーズした。
6年間付き合ってきた俺たちには別れる理由なんてあらへんかったし、俺もなまえも就職先も決まっていたから親の理解を得るのは難しくなかった。





彼女とより近い場所で過ごしたこの一年、


結婚してから益々彼女に助けられる機会が増えた気がする。




彼女は疲れて帰ってくる俺をごっつ可愛え笑顔で迎えてくれるし、自分も仕事があるというのにご飯を作って待っとってくれるのだ。

ちょっとは自分の心配もせえと何度も言うたがなまえは大丈夫だよという返答しかしなかった。


そんな出来すぎる妻に俺はかなり申し訳なく思っていた。






「なまえは何か欲しいものあらへんの?」






そんな彼女に俺は結婚記念日こそは何かしてやりたいと思っていた。


俺の仕事場は近くにデパートや百貨店が沢山あり、何でも買ってあげられる。
本当は突然渡してびっくりさせるのがそれらしいと思たが彼女の希望を優先さしたりたいと最終的には考えた。






「…どしたの急に」





「…はっ?せやから記念日…」





「私は特に何も欲しいもの無いけど…」





なまえはきょとんとしたままそう答えた。





「ほんまに何でもええんやで?俺に気を使わんでも…」





「…私気なんて遣ってないよ?本当に何もないの」






何度聞いてもなまえはそう笑顔で応えるだけやった。














「…はあ…


少しは俺にええかっこさせえ」









あ、やば






溜息混じりについ口に出してしまった言葉に自分で情けなく思っているとなまえは吃驚したような顔をする。









「…私なんて蔵に色々貰いっ放しだよ。私こそ蔵に何かあげたいよ!」









「は…?」







俺がなまえに…??


そんな何もあらへん…






「俺かてなまえに何もあげられてへんよ…?」










俺がそう問うとなまえは頬を赤くして俯き小さく呟いた。












「…蔵は毎日沢山の幸せくれてる…」










ああ





なんやねんこの子!!





堪らずなまえを抱きしめるとなまえの身体が強張った。







「え、くらどうし」


「俺かてそんなの同じや。なまえそういうの反則やて分からん?…可愛すぎるねん」






「で、でも私蔵にいっぱい迷惑掛けちゃってるし…私ばっかり幸せで私ばっかり蔵が好きになってるよ…」










そんなこと言われたら敵わん。



ますます俺が幸せになってまうやろ











「…記念日は2人で過ごそうや




…どれだけ俺がなまえより愛してるか身を持って教えたるわ」






「…楽しみにしてます」










初めて一緒にいたいと思った
初めて好きになった
初めて人を愛した
初めて幸せを感じた





お前以外に誰がいるっちゅーねん。











「…なあなまえ」





「…ん?なに?」








「結婚してくれてありがとう、な」









これが僕の幸せです




桜の花が咲く度に幸せが溢れ出すから
また2人で巡り訪れる春を過ごして行こう




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読んでくださった方に最大級の感謝!






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