「アルー、暑いね」



「そうだな」



「アイスたべたーい!」



「しょうがないなー。あと2つしかないけどなまえにやるぞ」



「わーい、ありがと!」






せみが鳴いてる、太陽と一緒にじりじり。
わたしってば冬のときは早く夏くればいいなぁなんていってたけれど、こうやって来たときには冬がうらやましくなっちゃう。アルはわたしにとってもからふるで糖分たっぷりってかんじのアイスクリームをくれた。わたしはよろこんで受け取ろうとしたときに、アルは私の指先がアルの指先と軽く触れて「あ、」と小さくつぶやいた。わたしはそのときの硬くてがっしりとした感触でアルはやっぱり男の子なんだなぁって改めて思ってしまった。




「そういえば来週はうちの近くて毎年花火大会やってるんだ。
今年もやるんだけどわたしいっつもお兄ちゃんと一緒かひとりきりで。
去年はやっとひとりきりの悲しさを知ってしまったから、
今年は彼氏つくって一緒にいくぞぉって思ってたのに結局今年もひとりなんだよね。あはは」




「…俺はなまえに彼氏ができるなんて思ってないぞ」



「えー何それ。ちょっと酷いよ」







わたしはからふるアイスをちょびちょび食べながらそういった。ちょっと、っていうのはわたしも彼氏なんてできっこないと最初から思っていたから。人間そういうものでしょ?





「でもなまえは相手を選ばなきゃ今すぐにでもできるぞ!」




「え…?」




どうして?と聞こうと思ったわたしより先にアルは言った。





「俺はなまえが好きだからね」







さっきより暑いなあ。それってきっと私のほっぺが熱くなったせい。でもそれならアルだって今すっごく暑いはず。







「…じゃあわたしと一緒に花火見に行ってくれるの?」







「え…!もちろんだよ!!」





暑いなぁ暑いなぁ、わたしたち。
でもうなづいちゃったからにはどんなに暑くてもアルにぴとってくっついちゃうんだから!






いつまでも待てないんだよ。男だからさ、








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