「いいなあ…」







今日は四天宝寺中テニス部の
夏合宿最終日です。

私もマネージャーなので参加しています。









「せや、最終日はパーっと海で遊んどけやー!」







そう前々から
オサムちゃんは言ってたんだけど、









「えー!?私は遊べないの?」





「駄目や。
なまえが遊んでどないすんねん。
最後の後片付けが残ってるやろ。」








彼氏であり、
部長でもある白石にそう言われて
私だけ宿でお留守番。


私だって遊びたかったのになあ。




でもその後白石に、







「なまえの可愛え姿他のやつに見せたないんや」






って耳元で言われちゃったら断れないよ…!





でもみんなが
今楽しそうにしてるんだったら余計恋しくなる。


1人ぼっちは寂しいな。





大体後片付けなんて
10分もすれば余裕で終わっちゃったし…














…これで合宿終わっちゃうのかな。








思えばみんなでご飯食べたりしたのはすごく楽しかったけど、
白石と二人きりにはならなかった。




やっぱり部長って大変なんだな。



大阪に帰ったらちゃんとお疲れ様って言おう。











でもでも少し、
ほんの少しだけでも

白石と一緒にいたかった

と思ってる自分がいて




なんか心残り…















「そんな所で何してんねん」







「え…しら、いし…?」












白石?!







「何でここに…」






「俺だけすぐ帰ってきたんや。
みんなはまだ海におるで。


…なまえ1人なんて可哀想やろ」







「白石…!」








白石って何て優しいんだろう。




こんなだから好きになっちゃったんだよ。














「なまえ堪忍な。



…ほんとは海行きたかったやろ?」





「ううんいいの。
白石がこうやって会いにきてくれただけで十分だよ」








「…俺な、本当はこの合宿中なまえと二人きりになるのは禁止って自分の中で決めてたんや」








「え…?」





「これは合宿なんや。
部長としてしっかりせなあかん。
テニスをするために来たんやから。



…なまえと二人になったら抑えきれへんやろ」






「白石…」







そっか…

私は何てこと考えていたんだろう。





今の白石は彼氏の前に部長なんだ。








「…白石ごめんね。」







「え、どないしたんいきなり」







「私も白石の彼女の前にマネージャーなのにこんなにも頼りなくて。
私なんかいなくても合宿とか全然大丈夫だったんじゃないかなって思って…」





あれ、な、んか涙が…






「何言うてるんや、なまえがおらなあかん。俺が大丈夫じゃないわ」





「ごめんね、ごめんね…」





「せやから泣くなって。
みんななまえのこと好きなんやで。
なまえがいてくれなあかんて思てるで、きっと」





「…ほんと?」




「ほんまや。俺が嫉妬するくらいやで」










私、白石のことばっかり考えてた。





仕事ちゃんとこなしていたのか、
とかはっきり覚えてないくらい。


それでも四天宝寺のマネージャーって言えるのかな…。












「…私も、まだまだだな」


明日からまた学校だけど、
部活のときはちゃんとテニス部マネージャーとして頑張る。

白石は部長、
部長をサポートしてあげないと!!










「…なまえ、
悪いけどな、今から俺の我儘ひとつ聞いてくれへん?」







「え…?」








白石が、わがまま?









「今から30秒だけ、彼氏と彼女の関係に戻ってくれへん?」




「へ…?…きゃっ!」







私が白石の言葉を理解する前に、
白石は今まで座っていたベッドに私を押し倒した。









痛い、って言おうとしたら
白石は倒れた私の上にいて目が合ってしまった。








「白…石…」




「なまえ、愛してるで」







最後の方は意識がなかった。

白石が私にキスしたから。


それもすごく深くて、
息が苦しくなった頃に白石はゆっくり私から離れた。








「はあっ…白石…なんで…」






「堪忍な、抑えきれへんかったんや。
一週間もなまえと何も無しやなんてやっぱキツいで。


…続きは帰ってから、な」








白石はずるい。




こんなことするから私どんどん白石のこと考えちゃうんだよ。













「さ、みんなもうすぐ帰ってくる頃やし出発の準備するで、マネージャーさん」

















ラブストーリーは突然に




(なまえちゃんと何したん、え?)
(別に何もあらへんよ)
(なわけないやろー!…どこまでいったん、)
(謙也早う彼女作りや)
(あー!羨ましいわー!白石、なまえちゃんくれや)
(謙也死にたいん?)







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