「お、連絡終わったさ?」

アジア支部へ立ち寄って、アレンくんが本部へ連絡をしてくれていた。突然現れたら皆さん驚くだろうし、少しでも早く私たちの無事を伝えたいから。

「はい。みんなで出迎えてくれるそうですよ」


アレンくんの声がゆっくり届いて、私は少しだけ微笑んだ。


「やっと帰れるのね…」
「つっかれたさー」


力を抜いて横たわるラビくんの姿を見て、思わず笑みが零れた。ブックマンさんやロットーさん、マリさん、ティエドール元帥とも合流して。出発は違えど、こうして皆が揃った。誰ひとり欠けることがなく、もうすぐで帰ることができる。


「みんな…」

「みんなで一緒に…帰って来れて良かった、です」


もし、どこかで諦めていたらきっと違っただろう。もし、リナリーちゃんが諦めていたら、神田さんが戦ってくれなかったら、クロウリーさんが守ってくれなかったら、ラビくんが支えてくれなかったら、アレンくんが導いてくれなかったら、


きっと、私たちはここにはいない。


「そうね…良かっ、た」


リナリーちゃんの瞳に涙が浮かんだ。それを見て、困ったように笑ったロットーさんが優しく頭を撫でてあげている。


「着きました」

「ホームです」



アレンくんによって扉が開けられて、眩しい光が差し込む。



「っ…にいさ、」



その光の中へ、リナリーちゃんが駆けて行った。ロットーさんも、ブックマンさんも、ラビくんも、元帥たちも。


「…」


待ちに待った教団のはずなのに、なんだか足が震えて、最後になってしまった。どきどきと心臓が焦って、早くみんなに会いたいのに、うまくいかない。それでもゆっくり、ゆっくり足を踏み出してゆっくり進んだ。

恐る恐る光を抜けた先にあったのは、見慣れた景色。抱き合う皆。笑ってる皆。仲間たち。そして



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