第一章〜友情の足枷〜

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「ちっ…、しくじったぜ。」







タバコを咥えながら誰も居ない廊下を歩く。
授業開始のベルがなったのは5分ほどくらい前か…、日本の学校は時間にうるさすぎるだろ。

イタリアではまず考えられない光景に、思わずげんなりとした。
朝イチの授業には先公ですら始業のベルが鳴って10分後にやってくる、ただでさえクソだるい朝っぱらからそんなに元気に授業をしたがる奴がいるかっての。

それなのに日本と来たら校門は閉まってるわ、廊下に人っ子1人いねぇわ、クソ真面目に教室に詰め込んでやがる。

なるべく早めに10代目をお迎えに上がったつもりだったが、既に家を出られていた後だった。
くそ…!いつなん時、お命を狙われるか分かんねぇのにそばにいないでどうする俺!!

次はもっと早く家を出よう、そして朝の警護につくんだ。

明日の目標を心に掲げながら、短くなったタバコを踏みつける。

やっと10代目のいる教室についたと思ったら、嫌味そうなクソ先公がクソみたいな発言を10代目に浴びせてやがる…。








ガララ!!!!










俺はわざと大きな音を立てて扉を開けてやった。
遅刻がどーだの喚いてやがるが、そんなの俺の勝手だろ、お前らの時間に合わせてられるか。

ギロりと睨みを効かせれば、何も喋らなくなる。

弱者は黙ってたらいいんだよ…、













「おはよーございます!10代目!!」











お席につかれている10代目に挨拶をする。
周りの奴らも、これくらい敬意を払えってもんだぜ…。
周りが何やらひそひそと話していやがるが、んなもん知ったこっちゃねえ。

自分の席に着こうとすると、こないだは居なかった隣の席の奴がびくびくした様子で俯いていやがった。
っち、根暗そうなやつが隣の席だったのか…、まあ、騒ぎ立てられるよりはまだましか。

席に座ろうとしたその時だった。











「あくまで過程の話だが、平気で遅刻をしてくる生徒がいるとしよう。
そいつは、間違いなく落ちこぼれのクズとつるんでる。
何故なら、類は友を呼ぶからだ…!」













聞き捨てならねえ言葉に、思わずカチンときた。
ズカズカとクソ先公の元に歩み寄り、胸ぐらをつかむ。













「おっさん、よく覚えとけ…。
10代目沢田さんへの侮辱は許さねえ…!」











クソ先公は恐れおののいた顔をして顔を真っ青に染めていた。

10代目、やりましたよ!

10代目の顔を見てニカっと笑って見せれば、周りに気を使ってるのか10代目は控え目な反応を見せた。
くっ…!クールな10代目もカッコいいぜ!!














その後。
気絶しかけたクソ先公はクソみたいな条件を突き付けてきて俺たちを退学させようとしたが、10代目の華麗なるご活躍により、難を逃れたのだった。

その後、リボーンさんのお力による修復作業で穴の開いたグランドは元通りに。

何となく参加した授業もつまらないモノだったが…。












「(やべえくらいの殺気がビンビン伝わってくるぜ…!)」













隣の華鈴とか言うやつのさらに向こうの窓の外から、隠そうともしない殺気が刺さるように伝わってくる。
その殺気の元を辿ろうと試みてみるが、どうも隣の華鈴が邪魔だ…。

なっがい前髪と分厚い眼鏡で見えない表情。
何がそんなに苦しいのか分かんねぇけど、痛みか何かを庇いながら必死にノートをとっているように見える。

っち、弱そうなやつを見てるとイライラするぜ!

チビで、細っこくて、なよなよして…、

クソ…、












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(まるで、昔の自分を見ているようで、むかつくんだよ。)


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