第一章〜友情の足枷〜

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「初めて華鈴さんと喋ったなぁ…。」







慌てて教室を出ていった華鈴さんの後ろ姿をぼんやりと眺めながら、思わず思ったことが口に出た。

いつも1人でいることが多い華鈴さん。
いじめられてる訳では無いけど、1人が好きなのかな?ってくらい、周りに人が寄り付くのを怖がってるイメージだった。

入学当初はそんなに前髪も長くなくて、少し目が隠れそうなくらいだった。
いつも何かしらのグループに声をかけられていたけど、申し訳なさそう断るばかり。
常に外を気にして、キョロキョロしてて、男子に対しては特に怯えている印象が強い。

成績も普通で、体育が苦手そうなイメージがある。
たまにおれと一緒で赤点をとったりしてて、俺だけじゃなかった!!!って、密かに心の支えになってたりもした。

相手が嫌がってるんだし、女子だし、話しかけたことは無かったけど…。
笑った笑顔が可愛かったなぁ、前髪でよく見えなかったけど、もしかしたら京子ちゃんより可愛い…







「って!!!!何考えてんだ俺!!!!」







で、でも、あのクラスの人気者の山本でさえ怯えて話せなかったのに、なんで俺には普通に話しかけてくれたんだろう…。

途中いつもみたいに周りを気にしたりしてたけど…、










「つまり、ツナのことは男として意識されてねーって事だな。」

「やっぱそうなるのかぁ…って、勝手に人の心読むなよ!!!!」

「さっきから顔に書いてあんゾ、声も漏れてるしな、だからお前はダメツナなんだ。」

「う、うるさいなぁ!」








リボーンの一言一言がグサグサ刺さる…、やっぱ俺はダメダメだから男としても意識してもらえてないのかなぁ…、背だってそんなに高いわけじゃないし…。

でも、案外普通そうな人だったし、華鈴さん悪い人じゃあ無いんだろうな。
最近、身の回りが騒がしいからああいう人と話せるのって貴重だなぁ…。
他の人と違って俺を馬鹿にもしないし、そう考えてみるとすごくいい人かも、華鈴さんって!?



そうこう思っていると、朝練終わりの人たちがガヤガヤとこちらに向かってくる声が聞こえる。







「り、リボーン!!もうみんな戻ってくるから、お前早く家に帰れよ!!」

「ツナ、あの華鈴唯ってやつ、仲良くなってて損はねーと思うゾ。
もっと積極的に声かけてけよ。」

「なっ!!!!京子ちゃんにすら声かけれないのに、そんなの無理に決まってんだろ!!今日、華鈴さんと話せたのだってマグレだよ、マグレ!!!ってか、また俺の心読むなよ!!!!」








クラスの人気者の山本でさえ、話しかけても怖がられてスルーされてんのに…、俺なんかまともに相手にしてもらえるわけないよ。

とにかくリボーンを教室から追い出して、席についた。

そう言えば、今日テストが帰ってくるんだっけ…、嫌だなぁ。









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(でも、また話せるかな。)


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