第一章〜友情の足枷〜

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今日は1日ぶりの登校。
1日休んだだけなのに、なんだかものすごく久しぶりな感じがするから不思議だ。

昨日は結局、驚くくらい寝てしまって、した事といえば草壁さんが持って帰ってくださった課題をこなしたくらい。

人目につかない朝早くに登校して、教室の掃除をするのが私の日課。
なかなかコミュニケーションを取れないクラスメイトへの、お詫びにと始めたもの何だけど、力になれてるかな?

窓を開ければ心地よい風が舞い込んでくる。
子鳥のさえずり、朝練をする人達の声、誰もいない教室。

私のささやかな、平和の時間。








「チャオッス!」

「っっ!!??」









突然、足元から声がした。
ビックリして、思わず尻餅を付けば、ピタリと合う目線。

黒いスーツを着込んだ赤ん坊だった。








「ぼ、僕、どうやって入ったの?並盛の生徒以外は入っちゃいけないよ、怒られちゃう…」

「俺はマフィアだからな、そんなの関係ねぇゾ。」







フフン、と、その年にしては似つかわしくないニヒルな笑を浮かべる赤ん坊にぽかんと口を開けた。






「俺はリボーン、凄腕のヒットマンだぞ。」

「あ、あはは、そうなんだ。」








玩具であろう銃を自慢げに見せて笑うリボーンと名乗った赤ん坊。

ごっこ遊びでもしてるのかな?と、頭の中で片付けて、この子をどうしたものかと頭を悩ませる。








「私は華鈴 唯。
リボーンくん、もう少ししたらクラスのみんなが来ちゃうから、帰らなきゃダメだよ。どこから来たの?」

「イタリアだぞ。」

「う、うーん…。」








それとなく帰宅を促してみるも、なかなか帰るつもりは無いのか、ヒットマンごっこを続けるつもりらしい。








「唯、俺はお前を気に入った、俺の女にしてやる。」

「あ、あはは…」








最近の子はませてるなぁ…。

中々帰ろうとしてくれないし、どうしよう。
とにかく、職員室に連れていくしか…?








「リボーン!!!!こんな所にいた!!なんだのあの書置き、勝手なことすんなっていつも言って…」

「よぉ、ツナ。」

「あ…、」







沢田 綱吉くん。

いつも何かとクラスの子達から弄られている、勉強もできない、運動もできないダメツナとか何とか…。
このリボーンくんの兄弟なのかな?

あ、で、でも、男の子であることは変わりないから、早くこの子を引き取ってもらおう。








「あ、えっと、ごめんね華鈴さん…、そいつ俺の親戚で…、えと、何ていうか…!!!と、とにかく余計なことすんなってリボーン!!!!」

「あ、うう、ん。よかった、お家の人が近くにいて。」








思わずほっとする。
こんなに小さい子にしたら、この学校はとてつもなく広いだろうからきっと心細いだろうし。

そこで、ハッとあたりを見渡す。

男の子と喋ってしまった、応接室の方を見るが、何時もの恭哉さんらしき影は見えない。
思わずほっと息をつき、急いで課題を手に取る。







「じ、じゃあ私っ、課題出さなきゃだから…」

「あ、うん!!またね!!!」








勢い良く教室を出て、職員室まで駆け抜けた。

誰かに見られていたとしたらたまったものじゃない…。

見つかる前にその場を去ろうと必死だった私は周りが見えていなかった。












「…なんだよ、今の。」











朝練終わりの山本くんが、沢田くんと私が会話していた所を見ていただなんて、知らなかった…。










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(沢田くん、もうすぐHR始まるのにどうやってリボーンくんを家に帰すんだろう?)


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