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「…ええ、じゃあ、お願いね。」
カチャン、
手配を済ませ、電話を切る。
これで"あっち"の心配は無いだろう。
後は…
「アリーシャがどうするか、か…。」
ヒマワリのような笑みを浮かべるアリーシャを思い出し、そっと目を閉じたときだった。
「ユーヴィリア大佐!ユーヴィリア大佐っ!」
バタバタと慌ただしい様子で大佐室に入ってきたのは、確かここ最近よく使いっ走りにされている新人兵。
血相を抱えながら部屋に転がり込んできて、頭を思いきり壁にぶつけていた。
「どうしたの、慌ただしいわね。」
呆れた視線を向ければ新人兵は頭を抱えながらも言った。
「ぐ、グーロリア准将が、こちらに向かっております…っ!」
「…何?」
グーロリア、嫌な名前を聞いてしまった。
アイツが"あの場所"で、グランドラインに行こうとする海賊どもを狩ってるのは知ってる。
大方、今回の大物であるハートの一味を私が一網打尽にしたのが気に食わないんだろう。
だからこそ、私の手で捉え、こうして下準備を踏んでるってのに…
「いつもは私が狩っても何も言ってこないのに、何で今回に限って…」
「はっ!何でも、ユーヴィリア大佐が海賊一味をかくまっているのでは無いかと疑われているようで…」
チッ…、変に鋭いんだあの強欲ジジィは…。
私から"石"を奪うだけじゃ物足りないってか?
「ユーヴィリア大佐はそんな事をする御方ではないと、レズリー大佐が説得したのですが…」
「レズリーが…?」
レズリー、私の同僚だ。
私の良き理解者で、私の過去も知っている。
だからこそ、こうして時間を稼いでくれたんだろう。
「(…ありがとう、レズリー。)」
心の中で礼を言い、私は席を立った。
チンタラしてらんない、アイツらを一刻も早くグランドラインへ…!
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