「ちょっとちょっと、唯、一くんも、でしょ?」 「は?」 総司は呆れたように笑いながら一を指差す。 唯はキョトンとした顔をし、暫く一を見つめたがまた首をかしげた。 「…その顔を見ると、思いきり忘れているようだな。」 一はやれやれと首をふり、呆れた視線を唯に向ける。 すると総司はケタケタと笑いだし、ニヤリと意地悪な笑みを浮かべた。 「だって仕方ないよ、一くん昔と比べたら大分変わっちゃったから、ねぇ?」 「…黙れ総司。」 握り拳を震わしながら顔をひきつらせる一。 どうやら相当知られたくない過去らしい。 すると唯は急に閃いた!と言いたげに目を見開き一を指差した。 「あああ!? もしかしてハジメちゃん!?髪型変わってるから解んなかった!」 「ちゃんは要らん、ちゃんは…っ!」 ようやく思い出したようだが一は余り嬉しくなさそうだった。 そして唯は爆弾発言を口にした…。 「だって小学校の頃よくツインテールだとかポニーテールだとかして遊んでたからつい…!」 「唯、貴様…っっ!」 「あっははははは! やっぱりいいね唯はさっ…!あはははははは!」 「やっだハジメちゃん顔真っ赤!かわいーっっ!」 「さ、斎藤さんが、ツインテール…」 「おい総司っっ! 雪村も想像するんじゃないっ!」 「…っ、〜っっ!?」 「ひ、土方さ…、笑っちゃ、ぶふっ!」 顔を真っ赤にした一を唯と総司がからかい始め、その様子を土方と平助が必死に笑いを堪えながら見ていた。 それは、まるで昔に戻ったようだった。 キーンコーンカーンコーン… 「…あ、入学式。」 「「「「「あ…」」」」」 それはつかの間の幸せな時間だった。 [prev|next] |