追記
ぜんぶ悪い夢でありますように
1.誰も知らない場所なんてこの世界にはないから
両者の名はおろか、その容姿さえも世界で知らぬ者はいなかった。
片は「魔王」と呼ばれ忌み嫌われる者であった。金色の髪に蒼の瞳、透き通る様な白い肌。背筋が凍る程美しい姿を持っていた。
片は「救世主」と呼ばれ讃え奉られる者であった。紅い髪に碧の瞳、けして退かぬ義侠心。世界の明暗を担う唯一とされていた。
だから、なのか。
殺される者。
殺す者。
二人が対峙した時。
二人は気付いた。
君と、お前は、似ている。と。
世界は僕たちを、俺たちを「特別」に創りあげた。世界を壊す者、救う者。対極にいながらその実、二人は表裏の存在であった。
皆は望んでいる。
僕が倒されるのを。
俺が倒すのを。
震えた刃の切っ先には何が映っていたのか。世界のどこに二人の逃げ場があろう。誰も知らない場所など有りはしないのだ。そして、それは誰一人として望んではいないこと。しかし、たったの二人は渇望した。両者が生きる方法を。
聞こえた悲鳴はどちらからか。
‥それは誰にも届かなかった。
何となくしたかったという理由での見切り発車ですお(^ω^)←
‥完結は‥させる‥なんとか‥←←←