追記


私を呼ぶ貴方の声が好き。
私を見つめる貴方の瞳が好き。
私に触れる貴方の掌が好き。


「私は‥貴方の全てが好き」

「ありがとう‥すまない‥」

「いいの、解ってる。」

「本当に‥すまない‥」

「愛しています」

「わたしも、」

「貴方の「大切」に私も含まれて幸せでした」

「そんな言い方‥」

「だってもう、きっと会えない」

「それは、」

「大丈夫。私も、この子も。」

「‥っ、」

「貴方と出会えて良かった」

「わたし‥は、」


「沢山の幸せを、ありがとう」

「世界で一番大好き、」

「でもこれからは二番目。」

「だってこの子が一番になるから」


まだ目立たない私のお腹に顔を埋める様にして貴方はむせび泣いた。膝をついて、回した腕をきつく締めて。

しょうがないじゃない。
ずっと居たい、って言ったら。
結婚してくれたの?
一緒に日本まできてくれたの?

そんな選択、貴方は選ばない。
一生、選べない。


だから、さよなら。


泣かないで、愛しい人。
傷付かないで、愛しい人。
自分を責めないで、愛しい人。
誰かを憎まないで、愛しい人。
運命を呪わないで、愛しい人。


「これが最後よ、ありがとう」


そして、


元気でね。何よりも愛した大切な人。
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