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3


例え野生育ちの悟空とて、それくらいは弁えているし彼なりに倫理観も恥じらいの心もある。
何よりも、家族(更に言えば都会のハイスクールへと通い尚且つ正義の味方として活躍中な悟飯)に迷惑が掛かるのは避けたかった。

取り敢えず、興奮が冷めたベジータにも多少の罪悪感が芽生えた事が救いだろうか。

「ご、ごちゃごちゃうるせえ!黙れ!とどのつまりは、き、キサマの服を何とかすればいいんだろうが!!」

と、照れ隠しに怒鳴り散らしながらも、意を決して立ち上がった男を見やり、悟空が一言。

「あ。でもおめえのじゃ、ちょっとキツいと思うぞ」
「今すぐ裸で放り出されたいか」




勢いよく皮膚を打つシャワーが、疲弊し傷付いた体を癒やしてくれる。
設定温度はそこそこ熱めだったが、丁度良いので敢えて手を加えずに。

自宅では主に石鹸を使用する為、馴染みの薄いボディーソープで全身を包むと、嗅ぎ慣れた匂いに擽ったさを覚えた。

(ベジータのニオイだ)

悟空はそこで、一目散に飛び出して行った彼の動向を心配した。実際、当てはあるのだろうか。
勢い余って強盗など仕出かさなければ良いのだが。
どうにも嫌な予感で胸を塞がれ、居ても立ってもいられず体中の泡を洗い流す。

刹那、浴室のドアが無遠慮に開かれた。

「!!」

少なからず意表を突かれたのか、瞠若する悟空。
突如押し入って来た冷気に身震いしつつ、素早く出入り口を振り返ると。
ベジータが無言で、山吹色の服を手に立っていた。

「あ、オラの道着!」
「これで文句はないだろう」
「もしかして、わざわざオラんちまで取りに行ってくれたんか?」

純粋に一驚を喫して疑問をぶつけるも、男は顰めっ面を崩さないまま又もや沈黙。
そして徐に、腕に抱えていた道着一式を後方へ放り投げる。

悟空は床に転がった衣服に気を取られていた。
次いで何をするんだ、と眉を寄せたが、いきなり手首を引かれた余勢で足元が滑る。
だがバランスを崩した所で更に足払いを掛けられ、本格的に傾ぐ体をベジータがいとも容易く受け止めてくれた。

「あ……っぶねえ!」

ドキドキと心臓が暴れる。ベジータの背中にがっちりしがみつきながらホッと息を吐く悟空だが、忘れてはいけない。
自分を優しく抱き締める相手こそが、加害者なのだと。

「ベジ、いっ!!」

きゅう、と五つの爪が尻肉へ食い込む感覚に、悟空は短い悲鳴を上げる。

「お、おいバカ!」

戯れにしては些か度の過ぎる性的な手付きに、叱責する喉が掠れた。
だけれど、ベジータから仕掛けられたイタズラはてんで止まる様子もなく、逆にエスカレートしていくばかりで。
悟空とて、こう何の前触れもなければ焦る他ない。


「びっくりすっから突然シリ揉むなって!あっ、ちょ、いてえってば……そんな力入れ、んぃっ」
「じゃあ、こいつはどうだ?」
「……そっ、それ、は……ハンソクッ」


しかし気丈に返す言葉の、その語尾が蕩けている。
遂には些細な抵抗虚しく、ベジータの放つ王族的妙技(凄すぎて詳しく描写出来ない)によって、流され行く悟空であった。











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