これで皆に言えた……

良かったー…良かった!

全部の気持ちの半分も伝えられなかったけど

 おめでとう と ありがとう は伝えたかったから、良しとしとこう!

…けど、寂しいなぁ…



〜♪





「電話……越前くんだ。もしもし?」

「名前先輩?今どこに居んの?」

「家だけど…どしたの?」

「迎えに行くから、待ってて」

「な、んで?!迎えにってどうゆう…」

「いいから。じゃぁ切るよ」





プツッ  プー プー プー





「……え、なに…?」




















「名前先輩、おまたせ。外で待ってたの?」

「うん。待たせちゃ悪いかなと思って…。で、どこ行くの?」

「着いてからのお楽しみ、かな」





小首なんかかしげちゃって!

可愛すぎです越前リョーマくん!





「名前先輩、他の学校の人にも言いに行ったの?」

「うん!」

「ふーん…」

「あの…越前くん…」

「何?」

「今どこに向かってるのか行き先が知りたいな…」

「だめ。教えない」

「なんでー!なんでー!なんか怖いじゃんかー!」

「怖いとことかじゃないから大丈夫だよ」

「けど私何も持ってきてないよ!?財布も!ケータイも!」

「何にもなくても大丈夫。安心して」

「けーどー」

「名前先輩は俺の言うこと信じれないの?」





わ、わわわわわわわわわわわ!

え、えち、越前くんが…潤んだ瞳で…!

こっち見てる…!!





「信じれます!信じます!もう何も言いません!」

「ん(作戦勝ち)」




















「………越前くん」

「言いたいことは分かるけど黙って着いて来て」





いや、ちょっとそれは無理かな…

だって目の前には跡部さんのお家が……跡部ッキンガム宮殿が…

お呼ばれされた覚えとかないんですけど……





「越前くん…目的地はここで間違いないの?」

「うん。早く来て」

「そんな…勝手に入ってって良いの…?」

「良いの。早く、名前先輩」





しどろもどろする私に痺れを切らした越前くんは私の手を引いて家に入った

ごめんね……手のかかる先輩で…




















「真っ暗な部屋…」

「名前先輩はちょっとここで待ってて」

「え!ちょっと越前くん!待って…!」





手、離されちゃった…

ほんとに真っ暗…周りの様子が全然分かんない

窓が無い部屋なのかな…

そんなこと冷静に考えてる場合じゃない、かもしんない!

どうしよう!

こんなとこでどうすればいいの…

怖、い……





「苗字」

「え?」





手塚部長の声…



パーンッ!  パンッ!  パンッ!  パーン!



! 眩しい……電気…?

それにクラッカーの音?

なに?





「わ…!!」

「どうだ、驚いたか?俺様の演出力に酔いな」

「跡部だけの考えとちゃうで」

「そうだぞ跡部ー!いばるにゃー!」

「ふふ。名前ちゃん、ほんとに驚いてるね」

「きっとそれが当然だぞ、不二」

「橘さんの言う通りだ…まったく、これで驚かないのはきっと不二サンくらいだろうね。なんてったってはらぐ「それ以上言うのは止めとけ!」…神尾、うるさいんだけど」

「驚いてる顔も可愛いなんて、罪作りだよ名前ちゃーん!」

「千石さん、いい加減その口閉じてください」

「もう!冷たいなあ日吉クン!」

「けどほんとに名前ちゃんカワE!ぎゅーしたい!」

「芥川さん!便乗しないでください!」

「けどお前もそう思うだろ?」

「あんた、切原ば言ったっけ?」

「やー、正直なヤツだな」

「甲斐、やまとんちゅうなんかほっとけ」(本土の人)





「あの!」





………思いのほか静かになっちゃった………

しかもすっごい注目の的……!!





「あの…何がどうなってるんですか…?何で、皆が…」

「あーん?分かんねぇのか?」

「これじゃ中々状況つかめないと思うよ?名前ちゃんが可哀相だ」

「そう言いながら幸村、結構楽しそうな顔しとんじゃなか?」

「ふふふ…仁王、君もね」

「誰か名前ちゃんに状況説明してあげた方が良いんじゃない?」

「俺がしよう、大石。…苗字」

「っはい!?」

「いきなりのことで驚かせてしまったようだな。すまない」

「いえ…」

「ここに集まったのは俺達青学、不動峰、聖ルドルフ、山吹、氷帝、六角、立海大、比嘉、四天宝寺の9校だ」

「はい…」

「それで集まった理由と言うのが、苗字と一緒に卒業パーティーをしたかったからだ」

「…………………はい?え、すみませんもう1度お願いします」

「本来、この計画は俺達だけで行うはずだったのだが、どこからか聞きつけた跡部が参加したいと言ってきてな」

「はい…」

「だから青学と氷帝の合同卒業パーティーになるはずだったのだが、参加人数が徐々に増えて、こうなったと言うわけだ」

「簡単にまとめると、ここに居る全員が名前と一緒に居たいと言うことだ」

「乾先輩…。それは…どうも……?」

「名前、完全に思考回路停「桃城くん…」あ?なんだ?」

「皆、このために集まったってこと、だよね…?」

「あぁ、そうだ。名前、どうし、た…!?」





そっか

ミーティングでも打ち上げでもなく、このために、みんな集まってたんだ

そっか、そうだったんだ……

もー……なんなんだ、みんなして……優しすぎる……

嬉しくて泣けてきちゃったよばかちん!!





「名前が泣きだした!」

「え、嘘!だ、大丈夫かよ、名前?」

「丸井のいて!俺が「謙也も邪魔やでー」

「侑士!お前もどいて!俺がティッシュを…」

「向日くんもどきなさい。私が名前さんの涙を拭きますから」

「くすくす… 観月がめずらしく体張ってるね」

「くすくす… ほんとだね。こっちは剣太郎が頑張ってる……全然近づけてないけど」

「不謹慎ですけど、泣いてる名前先輩も可愛いですー」

「壇くんだっけ。君、やるねー。中々見どころある1年生だよ」

「大丈夫かい?名前ちゃん…」

「た、タカさん…うぅぅぅううぅぅう…」





涙は止まんないけど、今はそれより、言いたいことがたくさんある

ちゃんと、全部伝えなきゃ





「せっ、先輩方!聞いて下さい!」

「もう大丈夫なんですか?」

「はい!もう大丈夫です!ありがとございます木手さん!」

「無理しないでね」

「うん!越前くんもありがとう!」





みなさん、本当に、今までありがとうございました

そしてお疲れ様でした

ずっとずっと、長い間、突っ走って来ましたね

私は、その時を一緒に過ごせて幸せです

すごくうれしいです

かけがえのない時間と、思いと、感動を得ることができたんです

ずっと、忘れることはないと思うくらいにです

ほんとに、ありがとうございます

たくさんたくさん、ありがとうございます

卒業、おめでとうございます!!





「……名前ちゃん……」

「ありがとう、か…」

「それは俺らがお前に言うのが正しいな」

「そうですね」

「今まで、いっぱいの応援をありがとう!」

「その声があったから今まで頑張ってこれたんだ」

「ありがとう」

「これからも、よろしくね」





先輩…





「先輩たちだけずるいッス!俺も名前が居るから頑張れるんだぜ!」

「これからもよろしくね、名前先輩」

「もちろんだよ!」

「ほなパーティー始めようや!たこ焼きぎょーさん食べたいわぁ!」

「金ちゃんはそればっかやなぁ」

「よし、テメェら!グラスを持て!」

「俺りんごジュースじゃなくってオレンジジュースが良いー」

「わがまま言うなよジロー」

「……、俺達って…」

「金持ちには当たり前のことなんだろ…」

「よし、では……」





乾杯!










end


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