一か八かの賭けをします

不動峰中に直接乗り込もうと思います!

居るかな、居るかな、居てほしいな…………………居た!





「橘さーん!」

「苗字?どうした、いきなり」

「押しかけちゃってすみません!」

「名前?お前何しに来たんだ?」

「神尾くん久しぶりだね!ちょっとね、用事が」

「まさか今更全国で優勝したこと自慢しに来たの?嫌になっちゃうなぁ…知ってるってのにわざわざ来て…見かけによらず嫌味な性格してるよね」

「伊武くんのばかちん!違うよ!」

「ばかちんって……何、今度はどこぞの熱血教師の真似?意味分かんない」

「おいおい、その辺にしとけ?」

「…すんまそん」





さ、さすが橘さん……!

部員をまとめる能力が高い!

そして信頼度も高い!

あたしも橘さんみたいになりたいな





「今日は3人だけなんですか?」

「あぁ。今日は部活はないんだが、なんとなくここに来たらこの2人も居てな」

「そうなんですか!」





みんな部活大好きなんだなぁ

良いね、微笑ましい!





「あの、橘さん!」

「なんだ?」

「ちょっと早いんですが、卒業おめでとうございます!」

「お、ありがとう。わざわざそれを伝えに来たのか?」

「はい!他校生と言えど、私の尊敬する先輩ですから!」

「そうか……なんだか照れるな。ありがとう、苗字」

「いえ!それじゃ、失礼します!」

「おい名前。お前本当にそれだけ伝えにきたのか!?」

「うん!じゃ、またね!」





石田くんたちにも久しぶりに会いたかったなぁ

部活ないんじゃ、しょうがないか!




















次はルドルフー♪

だーね!なルドルフー♪

居るかな?





「あ!はっけーん!」





観月さんと赤澤さんが見える!

制服着てるや……引退したからなぁ…

あ、裕太くん……は、ユニホーム着てる

ミーティングするタイミングってどの学校も同じなのかな

にしても、私って運強いな!

3連続で電撃突撃が成功してるもん!

よし、さくっとお邪魔しちゃおうか





「ごめんくださーい」

「…名前さん?どうしてあなたがここに…?」

「聞き飽きましたよそのセリフ!」





まぁ確かに?

他校生の私がここに居るのはおかしいからしょうがないけど!





「ちょっと用事がありまして、勝手にお邪魔しました!」

「誰にだ?」

「久しぶり裕太くん!あのね、3年生の先輩方に」

「俺らにか?」

「なんだーね」

「名前ちゃんからの用事なんて嬉しいね くすくす…」

「…あれ。ノムタクさんと金田くんは…?」

「あぁ、その2人でしたら実家に戻っているんですよ」

「そうなんですか(残念…)」

「それで、用事って何だーね!」

「あ、はい!えっと、ちょっと早いんですが……卒業おめでとうございます!」

「んふ。名前さんに祝っていただけるなんて光栄です。ありがとうございます」

「ありがとな」

「嬉しいだーね!」

「ありがと」

「お前、このために来たのか?」

「うん!」

「普通はメールとか電話とかで済ませちまうのに…お前、すげーな」

「直接言いたかったんだもん!…それじゃ、私行くね」

「もうですか?ゆっくりしていくと良いですよ。お茶でもいかがです?」

「そうだぞ。俺が許してやるから見学でもしてけ」

「赤澤はそんな権限持ってないんですけどね」

「いえ!私まだ行くとこがありますんで……せっかくのお誘いんですが、すみません」

「そうですか…ならばしょうがないですね。では近々、僕と名前さんの2人きりでお茶しましょうね」

「ずるいだーね観月!」

「くすくすくす……ぬかりないね」

「(楽しい人たちだなぁ)それでは、失礼しますね!」





久しぶりに会ったけど、相変わらずルドルフの皆って面白くて優しいや!




















はい、やって来ました山吹中

白い制服山吹中

………校門には人っ子一人見当たりません隊長!





「けど野球部の声がする」





テニス部もあるかもしんないな

よし、今回もまた勝手に入っちゃおう




















「お、ラリーの音がしますねぇ」





ここはミーティングじゃなかったのか!

けど良かったー、山吹中も部活あって

これで3年生も居たらラッキーなんだけど…





「やっぱり居ないかなぁ…」

「何がだい?」

「っひ!…千石さん!」

「あははー驚かせちゃった?ごめんね!」

「千石さんもしかして部活ですか?」

「えー、うーん。ま、そんなとこかな」

「後輩思いなんですね!見直しました」

「その勢いで好きになっちゃっても良いんだよ?大歓迎!」

「な、またそんなこと言って!これで何回目だと思ってるんですか!もう!からかわないでください!」





俺はからかってるつもりなんかないのに!

本気も本気だよ!?





「3年生の皆さんも集まってらっしゃるんですか?」

「うん。あっくん以外はね」

「そうですか…」





亜久津さんにも言いたかったんだけどな……これはメールか電話しとこ





「皆部室に居るけど…会ってく?」

「はい!是非!」




















「ところで名前ちゃんは何で来たの?」

「ちょっと用事が」

「! まさか…まさか俺に会いに!?」

「……半分、合ってますけど…」

「っもう!素直になりなよ!俺のことが好きだって言っちゃいなよ!」

「…早く部室に行きましょうか」

「恥ずかしいの?もー!名前ちゃんってば可愛いなぁ!」





…相変わらずだな、千石さん




















「あ!名前先輩です!お久しぶりです!どうしたんですか?」

「久しぶり壇くん!ちょっと用事があってね、来ちゃった」

「(名前先輩可愛いですー…!)」

「用事って何だ?」

「あ、南さん。勝手に部室入ってすみません!」

「いや、大丈夫だ。気にするな」

「…なんか優しくないですか?」

「室町くんに同感ー。南ィ、名前ちゃんは俺のなんだからね!ヤメテ!」

「何言ってるの千石。名前ちゃん、ビミョーな顔してるじゃん」

「新渡米先輩の言う通りです。ね、苗字さん」

「(私に振らないでよ喜多くん…!厄介なことになるよ…!)」

「えー!そんなことないよね名前ちゃん!照れてるだけでしょ?俺はそんな名前ちゃんが大好きだよー!!」

「落ち着け、千石」

「助かるよ、東方…」





わぁ…南さんと東方さん、地味’sの掛け合いだ!





「それで、用事って…?」

「おお!よくぞ聞いてくれた室町くん!」





とか言いつつ、すっかり忘れてたんだけど





「3年生である千石さん、南さん、東方さん、新渡米さんに卒業おめでとうございますって言いに来たんです!」

「っ俺嬉しいよ名前ちゃーん!!」

「ぅわあ!だっ、抱きつかないでください…!」

「(顔真っ赤にしちゃって…ほんとに可愛いなぁ、もう!)」

「ありがとな、名前」

「わざわざすまないな。嬉しいよ」

「いえいえ!頑張って下さいね、これからも!」

「(名前先輩、優しいです…)」

「名前ちゃん名前ちゃん!俺の第二ボタンあげるから待っててね!」

「ぃ、いえ!そんな、私にあげてどうするんですか!もったいないですよ!」

「そんなことないよ!俺があげたいのは君だけなんだもん!」





ちょっ、と…ちょっと待て…!

いつの間にかナンパ魂に火がついてることに驚きだ…!

皆もそんな白い目で見てないで千石さん止めてくださいよ…!





「っ、私失礼しますー!」





結果、思わず逃げだしました。

千石さんのばかぁぁぁあああぁああ!





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