ジロちゃんと会話をしたあとしばらく余韻に浸っていると予鈴が鳴り、私は慌てて職員室へ向かった。
…私は方向音痴じゃないから無事に着くはずだ。
なんとか無事に職員室に着いた私は小さくノックをしてすぐ中に入る。
すると一人の先生が私に気付いた。
どうやらその先生が私の担任になるらしい。
若くて美人な女性の先生で、とても優しそうとゆうのが第一印象だった。
(きっと氷帝のマドンナ先生だ。間違いない!)
「苗字さん!やっと来た。ちょっと遅かったんじゃない?」
「すみません!ちょっと、道に、迷っちゃったんです…。(嘘ですごめんなさい)」
「ああそうね。苗字さんは引っ越してきたばかりですものね、無理もないわ。あ、私は苗字さんの担任になる中山麻美です。よろしくね」
「はい、よろしくおねがいします!」
「よし、それじゃ教室に向かいましょうか」
「はい」
「あ、苗字さんが入るクラスは3−3よ」
そう言って先生と共に職員室から出た。
3−3かぁ…氷帝は青学と違ってキャラ達が何組なのかまだ公式発表されてないんだよね。
テニキャラが誰も居なかったらちょっと虚しいなぁ…教室に入るまでのお楽しみ、だね。
ハッとすると先生はある教室の前で止まって振り返っていた。
「苗字さん、ここが3−3よ」
心なしか先生の声が小声だ。
「私が先に入るから、合図があるまで悪いけどちょっとここで待っててくれる?」
「はい、分かりました」
「氷帝は転入生が少ないから…こうゆう、ドラマみたいなことしてみたかったの!」
そう言ってニカッと笑顔を見せた。
私、こうゆう先生好きだなぁ。
「それじゃ、ちょっと待っててね」
少し待っていると先生の声が聞こえた。
「それじゃ、入ってきてー!」
キター!
ど、どうしよう心臓が今更になってバクバクしてきた…!
今まで普通だったのが信じられない。
そういえば私、これが人生初の転校だ。
あ、こんなこと考えてる場合じゃない!
早く中に入らなくちゃ…。
……よし!
ガラッ
私は教室内に一歩を踏み入れて、教壇に立った。
「それじゃ、自己紹介お願いできるかな?」
「は、初めまして!えと、苗字名前です。仲良くしてくれると嬉しいです、これからよろしくお願いします!」
い、言い切ったよ!
テンパってるのバレバレだと思うけど、名前ちゃんは頑張って自己紹介したよ!
笑顔だって、今できる限りで頑張ったよ!よくやったよ私!
って、ん?
皆言葉ひとつ発しない。
なんで?私スベった?けど別に変なことなんて言ってないよ!?
私は助けを求める視線で先生を見た。
すると―
ひそひそ―こそこそ―…
ようやくクラスの子達が動き出した。
けど、私を見ながらの近所の子同士や友達同士での内緒話。
…転入生って、こんなもんよね!物珍しい目で見られるものよ!
そう自分を励ましていると、見慣れた顔が私の目に入った。
が、がっくん!
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