「? どうしたんですか、芥川先輩」
はしゃいでいた芥川がいきなり静かになったので鳳が問う。
芥川は独り言のようにこう発した。
「そういえば俺、名前ちゃんにマネージャーになってって頼んだことある」
「「「「「はぁ!?」」」」」
芥川以外のレギュラーの声が重なる。
だか日吉はまた呆れた顔で芥川を見やる。
樺地は動じていない。
「どうゆうことだよ!」
「名前ちゃんが転入してきたばっかのときなんだけど!名前ちゃんがサッカー部のマネージャーに誘われててね!けど俺はそれが嫌だったから、テニス部のマネージャーに誘ったんだ!」
「ジロー、もう少し話を整頓してから喋れ」
「ん?ってことはそのとき…」
「断られちゃった!」
「1回断られとんのやから今回もあかんのとちゃう?」
「ですよね…」
諦めムード漂う忍足と鳳に芥川がすかさず言葉を入れる。
「でもね!マネージャーしたくない理由が「学校に入ったばっかりだから」って理由だった!」
「で?」
「だから俺、諦めないでまた誘うからねって宣言したんだ!だから…」
「1回誘ってからかなり経ってるしな。もう「来たばかり」なんて言えねぇだろ」
「そうゆうこと!さっすが跡部」
「けど本当に大丈夫なんでしょうか?」
不安げに鳳がレギュラー達の顔を見回した。
「安心しろ鳳!」
「?」
「名前と同じクラスの俺らが居るだろ!」
「! そうですね!」
キャッキャとはしゃぐ鳳と向日。
跡部はその様子を溜息をつきながらみていた。
芥川にいたってはすでに寝ている。
「いつの間に…」
「安心して眠っちまったんじゃねーか?」
「子どもかよ」
まだ俺達中3だぜ、とこっそり跡部につっこむ宍戸。
知らぬ間にマネージャーに抜擢された名前はその頃リオと昼寝をしていた。
大変な毎日がくることも知らず。
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