日吉と樺地に出会った翌日。

移動教室のため私は心と廊下を歩いている。

心の「いかにも女慣れしてそうな男が言い寄ってきたときの対処法」を耳にしながら。

そんな力説しなくても私にそうゆう未来はこないから大丈夫だよ心ちゃん!

そう言いたいところなんだけど、熱弁してくれている心を見ているとそれができない。



「無視してもそれを照れていると勘違いして余計にしつこくするアホな男もいるからそうゆうときは首をキュっと…」

「だめだめだめだめ死んじゃうよ!」

「良いのよそんな奴!」



心の暴走にあたふたしながら廊下の角を曲がったとき



「った!」



何かにぶつかった。

私は勢いよくしりもちをつく。(ドスン、っていったよ…!恥ずかしい…!)



「名前大丈夫?!っちょっと!どこ見て歩いてるのよ跡部!」



……………「あとべ」…………?

…………跡部?

……跡部、景吾…?

私がぶつかったものの方へ目を向けて見るとそこには確かにあの跡部がいた。

っひ…!

驚きすぎて動けもしないし声も出ない私は2人のやりとりをただ見ていた。



「あん?俺が悪いのか?よそ見してたのはそいつだろ」

「は?!何?!名前が悪いってゆうの?!」

「…秋野うるせぇ」



煩わしそうな顔をする跡部。

か、かっこい…!

さすが主人公を凌ぐ人気を誇る帝王跡部様!

何をしても絵になりますね…!

そんなことを考えていると目の前に手が現れた。



「ほらよ」



と言葉つきで。

そうです。

ええ、そうです。

跡部様がお手を貸して下さるとゆう行動をとっていらっしゃるのです…っ!



「す、みません…」



あの跡部が差し伸べてくれた手をとらないというのも気が引けて、素直に手をのせた。

そして手を引いて立たせてくれた跡部。(前向けないよ!)

けど、庶民な私が高貴な跡部様に触れてしまうんてやっぱり恐れ多い…!

と1人で貴族ごっこをしている私の横で秋野が驚いた顔をした。



「(跡部が女子に手を貸すなんて…珍しい…)」

「ちゃんと前見て歩けよ」

「はっ、い!すみませんでした…!!」



90度に腰を曲げて去っていく跡部を見送る。

けどそれを心が止めた。



「跡部が悪いんだから謝る必要ないわ!」



…心は跡部が嫌いなのかな。



後で聞いてみるとどうやら2人は1年2年と同じクラスだったらしい。

そして跡部に媚びない女子とゆうことであんな関係になったとか。

うん。青春万歳!





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