2度目の再会となったリョーマにテニスを教わって、連絡先を交換した。
そんなかなり過激な休日を過ごした私は、おかげで今日も気分が晴れていた。
けど明日は学校。
また授業中の睡魔と闘うことになると思い、浮かれてないで早めに寝ることにした。
これで明日は安泰だ!
と思ったら、意外と早く起きちゃった…。
いつもより1時間も早い。
「早起きは三文の得!学校行っちゃえ!」
心の中で「いってきます」とまだ夢の中なリオに言って家を出た。
学校…開いてるよね…?
通学路にはジョギングしてる人や犬の散歩をしてる人がちらほらみえた。
まさに早朝とゆう感じでシャキっとする…のは私だけ?
少し楽しくなって「スキップでもしちゃおうかな!」と春の季節にあてられて浮かれたことを思ったのはいいものの、
予想外なことにつんのめってしまい
「ぅ、おゎ!」
色気のない声を出してこけた。
ころんだショックよりも男らしいその声の方がショックで立ち上がれない…。
そろっと周りを見回してみると誰も人がいない。
よし、セーフ!
むくり、と体をあげると目の前には鞄から飛び出した私の教科書やお弁当箱…。
「わぁ…ぐちゃぐちゃ…」
「見とらんとはよ拾いーや。自分のやろ」
「?!」
「俺も手伝ぅたるわ」
誰もいないと思って呟いた独り言に返事として返ってきた関西弁。
そして聞いたことのある声色。
元いた世界のファンの間では「エロボイス」で有名のあの…
「(忍足侑士!!)いや大丈夫です!私だけで十分ですので…!!」
「何でもええからはよ拾えって」
「(怖い!)は、はいっ」
黙々と教科書を拾う忍足。
焦りながらお弁当箱やふでばこを拾う私。
…ヘンだよなぁ…。
「これで、最後です…」
「ん、そか」
「あのっ、手伝ってくれてありがとうございました…!」
「ええよ。次から気ぃ付けて歩きや」
「はぃ…!」
忍足はテニスバックを担いで学校の方へ歩いて行った。
あぁ…あぁ…あー、緊張した…っ!!
一緒にいた時間は5分もなかっただろうけど私には何十分にも何時間にも思えた…!
「これが三文の得なの…?」
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